セッション情報 ポスター

胃・十二指腸 内視鏡治療,その他

タイトル P-027:

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)後の人工胃潰瘍に対するPPI単剤療法とH2ブロッカー,エグアレンナトリウム併用療法の比較検討

演者 林 健次郎(埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科)
共同演者 櫻田 智也(埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科), 知念 克哉(埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科), 宮城 直也(埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科), 加藤 真吾(埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科), 名越 澄子(埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科), 屋嘉比 康治(埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科)
抄録 目的:消化性潰瘍治療薬として,プロトンポンプ阻害薬(PPI)は最も頻用されている薬剤である.一方胃潰瘍に対して,H2ブロッカー(H2RA)とエグアレンナトリウムを併用した場合,H2RAの治療効果が増強されると報告されている.今回我々はESD後人工潰瘍に対して薬物療法の治癒促進効果のさらなる可能性を検討するため,PPI単独投与群とH2RA+エグアレンナトリウム併用群での潰瘍治癒率に関して検討した.方法:2012年6月から2013年3月の間,当院で胃腫瘍に対してESDを行った患者を対象とし,潰瘍の面積の縮小率を検討した.重篤な合併症や抗血栓薬を内服している患者は除外とした.ESD施行時,治療後1週間目,1カ月目,2カ月目の潰瘍面積(長径/2×短系/2×π)を測定しそれをもとに縮小率を算出した.結果:PPI単独投与群は7例,男女比は5:2,平均年齢72.1,腫瘍の内訳は分化型Ca6例,胃腺腫1例であった.併用群は6例,男女比4:2,平均年齢69.2,腫瘍の内訳は分化型Ca5例,胃腺腫1例であった.PPI単独群,併用群での潰瘍縮小率平均値はそれぞれ1週間目45%,56%1カ月目96%,99%2カ月目100%,100%であり,両群に差を認めなかった.このため併用群とPPI単独投与群は同等の潰瘍治癒効果を有すると考えられた.結論:エグアレンナトリウムをH2RAと併用すると潰瘍治癒を促進し,H2RAの効果を増進する.
索引用語