セッション情報 |
ポスター
小腸 カプセル内視鏡
|
タイトル |
P-030:当院における小腸カプセル内視鏡検査の現状
|
演者 |
田中 浩敬(公立学校共済組合東海中央病院消化器内視鏡センター) |
共同演者 |
水谷 泰之(公立学校共済組合東海中央病院消化器内視鏡センター), 石川 英樹(公立学校共済組合東海中央病院消化器内視鏡センター) |
抄録 |
【目的】小腸カプセル内視鏡検査(video capsule endoscopy:以下VCE)は,2007年に国内で薬事承認・保険適用されて以来,広く使用されてきている.今まで診断不可能であった小腸領域における様々な病変の指摘に有用であるとされている.今回我々は当院でのVCEの統計,所見,およびNSAIDや抗血栓療法との関連を検討したため報告する.【対象と方法】対象期間は2008年4月から2013年9月.全件数はのべ149件(133例)で,平均年齢は64.4±14.7歳(18-87歳:中央値67歳)であった.【結果】検査理由は貧血・消化管出血精査が109件と最も多く,それ以外には腸閉塞精査10件,腹痛精査9件,慢性下痢症精査2件,腫瘍マーカー高値3件,その他16件であった.出血の原因となりうる薬剤投与歴は57例に認められ,その内訳はアスピリン27例,NSAID18例,硫酸クロピドグレル8例,ワルファリンカリウム8例,ステロイド6例,塩酸チクロピジン4例であった(重複あり).VCEの有所見率は93.3%(139件/149件)で,貧血・消化管出血精査に限っても94.5%(103件/109件)と高く,それ以外の検査理由でも90%(36件/40件)と高い有所見率であった.主な所見の内訳はred spot50例,erosion47例,lymphangiectasia37例,angioectasia27例,潰瘍26例,輪状狭窄10例,出血12例であった.薬剤投与群の有所見率は94.7%であり,一方薬剤非投与群の有所見率は92.4%と両群に差を認めなかった.所見別検討では,angioectasiaにおいて薬剤投与群と薬剤非投与群に有意差を認めた(P=0.0018).VCEにおける主な偶発症は,小腸内停留が2例あり,他院でダブルバールン小腸内視鏡にて摘出した.【結論】当院におけるVCEでの有所見率は良好で,貧血・消化管出血精査以外の目的においても高く,様々な小腸疾患へのVCEの適用の有用性が示唆された.また薬剤投与例においては有意にangioectasiaを多く認め,その粘膜障害性の高さを認めた. |
索引用語 |
|