セッション情報 | ポスター食道癌 ESD |
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タイトル | P-044:EEMR-tube併用ダブルチャンネル法による食道ESDの治療成績と病態からみた食道ESDの適応基準 |
演者 | 千野 修(東海大学付属東京病院外科) |
共同演者 | 島田 英雄(東海大学付属大磯病院外科), 西 隆之(東海大学付属大磯病院外科), 葉梨 智子(池上総合病院外科), 山本 壮一郎(東海大学付属八王子病院外科), 伊東 英輔(東海大学消化器外科), 數野 暁人(東海大学消化器外科), 林 勉(東海大学消化器外科), 蒲池 健一(東海大学消化器外科), 中村 知己(東海大学付属東京病院外科), 田中 洋一(東海大学付属東京病院外科), 武智 晶彦(東海大学付属東京病院外科), 小澤 壮治(東海大学消化器外科), 安田 聖栄(東海大学消化器外科), 近藤 泰理(東海大学付属東京病院外科), 幕内 博康(東海大学付属東京病院外科) |
抄録 | 食道ESDの技術的難易度は高い.2010年1月から2013年9月までに食道表在癌に対しクラッチカッターを用いたEEMR-tube併用ダブルチャンネル法による食道ESDを86例95病巣に施行したのでその視野展開と安全性,短期治療成績と有用性について報告した.また,病理組織学的所見からESDによる根治的切除と追加外科切除術の適応基準について検討した.サイドチャンネルより挿入した細径把持鉗子で病巣口側端を牽引し剥離部の良視野が展開できる.対象の内訳は男女比74:12,46-85(中央値67)歳,病型0-IIa:0-IIb:0-IIc:0-I=11:17:61:6,病巣長径平均24.7mmである.体動や誤嚥性肺炎の予防として80例(84.2%)を全身麻酔下に施行した.一括切除率100%,切除潰瘍面長径3-11(平均5.0)cmで3/4周以上切除は14例である.合併症は出血0,穿孔1例(1.1%),瘢痕性狭窄3例(3.1%)を認めたが,いずれも保存的に軽快した.病理所見は扁平上皮癌:腺癌=92:3,深達度M1M2:M3SM1:SM2SM3=71:15:9,完全切除率95.8%であり局所再発・転移は認めていない.3/4周以上切除14例中3例に瘢痕狭窄を認めたがステロイドの粘膜下層局注例ではない.通常内視鏡観察の形態学にNBI拡大観察を加えた所見での正診率は88.4%(M1M2:97%,M3SM1:78%)であった.またT1a-MM,SM1癌の切除212例を検討するとリンパ節転移率16%を示したが,ly陽性群では38.8%と有意に上昇した.転移リンパ節個数は2個以内が92%で外科切除例5年生存率は93%を示した.ER後の病理所見でly陽性,低分化型,INFcでは追加外科手術を考慮する必要がある.根治性を得るために病態を理解した上での食道ESD施行が重要である. |
索引用語 |