セッション情報 ポスター

食道癌 ESD

タイトル P-045:

超低侵襲内視鏡治療を目的とした早期食道癌における経鼻ルートNasal-ESDの有用性

演者 中村 正克(金沢医科大学消化器内科)
共同演者 白枝 久和(金沢医科大学消化器内科), 有沢 富康(金沢医科大学消化器内科)
抄録 【背景】我々は早期咽頭癌における経鼻ルートを用いたN-ESDの有用性を示してきた(Endoscopy in press).これは偶発症として最も多いsedationを回避する事が出来る超低侵襲内視鏡治療である.今回我々は管腔が狭くESD困難臓器として考えられている食道においても同治療が可能と考えた.細径内視鏡ESDに必要なフードとして送水,吸引機能を持ったNanoShooter(NS)(Top)と,新型高周波対応細径内視鏡(EG-580NW2:FUJINON)を用いて早期食道癌N-ESDを行っているので報告する.【目的】早期食道癌を対象として,non sedation(ns)での経鼻ルートNS装着細径内視鏡ESDの治療有用性を示す.【方法】切開剥離,止血は自作針状ナイフ,自作止血鉗子を用い,又高周波切開装置は通常食道内視鏡治療の設定で行った.【結果】経鼻ルートかつnsで食道病変にアプローチをする.細径内視鏡は病変肛門側での食道内反転アプローチをする事ができ,かつ可動域が大きく全周性に取りまわす事ができる.これにより口側のみならず肛門側からの安全かつスピードのある切開処理ができる.従来法の通常内視鏡では,肛門側のトリミングは順方向でのアプローチで施行する為,end lineの処理に苦労をして時間の短縮ができなかった.しかし細径内視鏡を用いる事によって反転操作による肛門側のトリミングが容易に出来る為,病変肛門側を大きく開けれる様になる.両サイドのトリミングと口側のトリミングを行えば,スネアリングをする十分なmarginがとれる為,切除時間短縮の一括切除スネアリングが確実に行える.【考察】経鼻ルートN-ESDはnsで食道ESDができ,sedationのリスクなく安全かつ切除時間の短縮が出来る非常に有用な方法であると考えた.nsである為,意思の疎通が出来て,ESD時の治療部位のconditionを良くする事ができるのも特筆すべき点である.同治療法を行うことで高齢者,心肺疾患をもつHigh riskの患者に対しsedationを用いない安全なESDが可能となると考えた.今後細径内視鏡における様々な臓器での治療の可能性が開けると考えた.
索引用語