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食道癌治療

タイトル P-046:

沖縄県におけるバレット食道癌診療の現況―沖縄消化器内視鏡会アンケート調査から―

演者 長濱 正吉(那覇市立病院外科)
共同演者 石原 淳(中頭病院内科), 座覇 修(中頭病院内科), 下地 英明(琉球大学大学院消化器・腫瘍外科学講座), 西巻 正(琉球大学大学院消化器・腫瘍外科学講座), 菊池 馨(沖縄県立中部病院内科), 島袋 容司樹(沖縄県立中部病院内科), 島尻 博人(那覇市立病院内科), 仲地 紀哉(那覇市立病院内科), 豊見山 良作(那覇市立病院内科), 金城 福則(琉球大学光学医療診療部), 金城 渚(琉球大学光学医療診療部), 仲本 学(琉球大学光学医療診療部), 岸本 信三(沖縄県立南部医療センター内科), 林 成峰(沖縄県立南部医療センター内科), 嘉数 雅也(沖縄県立南部医療センター内科), 照屋 淳(北部地区医師会病院外科), 奥島 憲彦(ハートライフ病院外科)
抄録 【はじめに】バレット食道癌は通常の食道扁平上皮癌と異なりバレット粘膜に発生した癌であるが,少数例であるためその診療の現状は明らかにされていない.今回私達は沖縄消化器内視鏡会50周年記念事業の一環として沖縄県内のバレット食道癌診療の現状を調査した.【期間と対象症例】調査期間は2002年1月から2011年12月までの10年間で各参加施設から報告された23例[男性20例・女性3例(40~86歳:中央値59歳)]のバレット食道癌を対象とした.【結果】診断契機は15例が検診や人間ドックの異常所見の指摘,8例は有症状であった.治療方針としては23例中15例で外科的切除,6例でESDが施行され,2例は化学療法が選択された.手術の3例では術前化学療法としてFAN(5-FU+Adriacin+Nedaplatin)が施行された.またESD後の(追加)手術例が2例を占めた.術後合併症は6例に発症したが全例保存的に軽快した.原則1年間の術後補助化学療法として4例でTS-1が追加されていた.進行度はpStage0/I/II/III/IVaが8/5/4/3/1例,cStageIII/StageIVbが1例ずつで,ESDを含んでいることからpStage0が多かった.予後に関しては観察期間中に3例では死亡が確認(診断後,10ヶ月から2年1ヶ月の生存期間:中央値1年10ヶ月)され,他20例は1ヶ月から8年10ヶ月(中央値:2年6ヶ月)間の生存期間であった.【まとめ】沖縄県消化器内視鏡会に参加している施設からのバレット食道癌診療の現状を報告した.この検討を契機に沖縄県におけるバレット食道癌の診療レベルの向上に寄与し良好な治療成績の達成を目指したい.
索引用語