セッション情報 | ポスター食道癌治療 |
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タイトル | P-049:当科における食道癌術後胃管癌および本邦報告症例の臨床病理学的検討 |
演者 | 萩原 信敏(日本医科大学外科) |
共同演者 | 松谷 毅(日本医科大学外科), 野村 務(日本医科大学外科), 牧野 浩司(日本医科大学付属多摩永山病院外科), 若林 秀幸(日本医科大学外科), 藤田 逸郎(日本医科大学外科), 金沢 義一(日本医科大学外科), 桜沢 信行(日本医科大学付属千葉北総病院外科), 小野寺 浩之(日本医科大学外科), 宮下 正夫(日本医科大学付属千葉北総病院外科), 内田 英二(日本医科大学外科) |
抄録 | 【目的】診断・治療の進歩による食道癌術後長期生存例の増加に伴い,再建胃管癌症例も増えている.当科で食道癌術後に発生した胃管癌症例と過去の報告症例との比較,年代別の変化を検討することで,胃管癌の臨床病理学的特長を明らかにする.【方法】当科で食道癌切除,胃管再建術を施行した386例(男性310例,女性76例)のうち異時性に胃管癌を発症した症例9例を対象とした.また,本邦で報告された症例を集計して胃管癌の臨床疫学,病理学的特徴について検討を行った.さらに年代ごとの変化についても検討を行った.【結果】当科で胃管癌は食道癌術後9例(2.3%)に発症した.発症年齢は平均72歳,男性8例,女性1例の内訳であった.胃管癌は計11病変認め,肉眼分類ではIIaあるいはIIa混在病変が7病変と最も多かった.組織型はすべて分化型腺癌,発生部位は胃管下部中心であった.食道癌根治後の発症が多く,術後19年経過して発見された症例も存在した.当科の症例は全例内視鏡的治療が可能であった.9例中2例が胃管癌治療後に咽頭癌にて死亡したが,胃管癌の再発・転移した症例はなく予後は比較的良好であった.156例の過去報告例を集計した検討では,年代での胃管癌の病理学的な差はなかった.早期での発見例が増加しており,治療に関しても最近10年では内視鏡治療が著増していた.予後も改善傾向を示していた.【結語】当科での胃管癌症例とともに過去の報告症例の検討を行い,胃管癌の臨床病理学的特長を明らかにした.再建胃管癌は,発生部位,組織型には年代で変化がなかった.近年では内視鏡検査で早期発見され内視鏡治療が可能な例が増加しているため,胃管癌の特徴を理解して早期発見に努めることが肝要と考えられた. |
索引用語 |