セッション情報 ポスター

食道 その他

タイトル P-052:

CT検査が有用であったPTP誤飲の6例―PTP材質によるCT所見の検討―

演者 岩崎 栄典(東京都済生会中央病院消化器内科)
共同演者 瀧田 麻衣子(東京都済生会中央病院消化器内科), 星野 舞(東京都済生会中央病院消化器内科), 石山 由佳(東京都済生会中央病院消化器内科), 岸野 竜平(東京都済生会中央病院消化器内科), 酒井 元(東京都済生会中央病院消化器内科), 泉谷 幹子(東京都済生会中央病院消化器内科), 船越 信介(東京都済生会中央病院消化器内科), 中澤 敦(東京都済生会中央病院消化器内科), 塚田 信廣(東京都済生会中央病院消化器内科)
抄録 【目的】圧迫包装薬包(Press-through package,以下PTP)はレントゲン透過性が高いため,誤飲した際に発見が遅れて重症化する報告がある.一方で,早期診断のためのCT検査による局在診断の有用性は少数例報告されている.PTPは様々な材質があるものの,プラスチック被蓋(ポリプロピレンPP,ポリ塩化ビニルPVC)に,アルミを裏打ちした構造が基本となっている.材質によるCT所見の検討をされた報告はない.当院でPTP誤飲に対する内視鏡的異物除去前にCT検査を施行した症例を検討し,PTP材質の相違によるCT所見について各種薬剤を用いて実験的に検討した.【方法】2010年より3年間の間に当院を受診し内視鏡的にPTP摘出前にCT検査を施行した6症例を対象とし,画像所見,臨床経過を検討した.また,各種PTP(PP 14種,PVC 10種)を準備し,食道を模した豚肉にはさみ,CT(5mmスライス,WW400/WL40)を施行し,PTPの視認性を評価した.【結果】全員女性で平均年齢は78歳であった.1例は誤飲した自覚なく誤嚥性肺炎で入院,5例は誤飲を自覚し頸部痛を主訴に受診した.CTにて,3例は食道の変形のみで,3例は食道にPTPが描出された.全例ソフトキャップを用いた異物除去を施行した.摘出したPTPを確認したところ,描出されなかったPTPはPP製であった.CTによる実験的なPTP視認性の検討では,PP製は14種中全例描出されず,PVC製は10種中9種が良好に描出された.【結論】PTP誤飲は高齢者に多く時に誤飲の自覚がない症例もある.CT検査は異物の存在診断,局在診断,合併症の評価に有用であり,誤飲を疑った症例ではまずCT施行をすべきと思われる.一部のPTPはCTで描出されないため,疑わしい時には躊躇せずに内視鏡を施行する必要がある.
索引用語