セッション情報 ポスター

食道 その他

タイトル P-410:

GERD診療における新規PPI・エソメプラゾールの有用性及びGerdQ問診票の妥当性

演者 中原 征則(市立池田病院消化器内科)
共同演者 松本 康史(市立池田病院消化器内科), 小来田 幸世(市立池田病院消化器内科), 澤井 良之(市立池田病院消化器内科), 井倉 技(市立池田病院消化器内科), 福田 和人(市立池田病院消化器内科), 黒川 正典(市立池田病院消化器内科), 厨子 慎一郎(市立池田病院消化器内科), 今井 康陽(市立池田病院消化器内科)
抄録 【背景】食の欧米化(高脂肪・高蛋白食)や肥満の増加・H.pylori感染率の低下等の生活環境の変化により,日本において胃食道逆流症(GERD)の有病率は増加の一途をたどっている.エソメプラゾール(EPZ)は他のPPI製剤よりもCYP2C19の遺伝子多型の影響を受けにくく,代謝の個人差が少ない為,GERD治療効果が高くなる可能性が考えられる.しかし,国内におけるEPZの長期処方解禁は2012年10月と最近であり,日本人におけるその治療成績は十分検証されていない.また,日本語版GerdQ問診票は6項目の質問からなるGERDの診断及び治療効果判定を行う簡易で新しい問診票であるが,日本人での使用経験は少ない.【目的】1)EPZのGERDに対する治療効果を検討する.2)GERD診断におけるGerdQ問診票の妥当性を考察する.【方法】対象;2012年11月から2013年7月に,GERD様症状もしくは内視鏡的GERD所見が有り,GerdQ問診票を記載頂いた当院の患者15例(43歳-90歳 男性13例 女性2例).上部内視鏡検査;全例に施行.EPZは1)GerdQ 8点以上 2)内視鏡的にGERD所見有り 3)GerdQ 7点でGERD疑診例,を対象に投与した.治療効果判定はGerdQ問診票及び上部内視鏡検査にて行った.【結果】1)GerdQ 8点以上の場合,9例中8例(89%)が逆流性食道炎(RE)またはNERDであった.2)GerdQ 7点以下の場合でも,6例中4例に内視鏡的REがみられた.3)GerdQはGERD診断において特異度67%・感度67%・陽性的中率89%・陰性的中率33%であった.4)GERDと初期診断した11例のGerdQ平均スコアは7.9点であり,EPZの投与により6.0点と有意に低下した.(p<0.001)5)GERDと最終診断した全症例(12例)でEPZの投与によりGerdQ点数改善(症状改善)もしくは内視鏡的所見改善が見られた.【結語】EPZはGERDに対して良好な治療効果を示した.GerdQ問診票はGERD診断・治療効果判定に有用であるが,無症候性REの診断に関しては慎重に対応する必要がある.
索引用語