セッション情報 ポスター

大腸 IBD 1

タイトル P-054:

炎症性腸疾患手術前後の血中インフリキシマブ濃度と術後合併症

演者 荒木 俊光(三重大学消化管・小児外科学)
共同演者 大北 喜基(三重大学消化管・小児外科学), 藤川 裕之(三重大学消化管・小児外科学), 北嶋 貴仁(三重大学消化管・小児外科学), 近藤 哲(三重大学消化管・小児外科学), 今岡 裕基(三重大学消化管・小児外科学), 川村 幹雄(三重大学消化管・小児外科学), 志村 匡信(三重大学消化管・小児外科学), 野口 智史(三重大学消化管・小児外科学), 井上 幹大(三重大学消化管・小児外科学), 問山 裕二(三重大学消化管・小児外科学), 小林 美奈子(三重大学先端的外科技術開発学), 大井 正貴(三重大学先端的外科技術開発学), 田中 光司(三重大学消化管・小児外科学), 井上 靖浩(三重大学消化管・小児外科学), 内田 恵一(三重大学消化管・小児外科学), 毛利 靖彦(三重大学消化管・小児外科学), 楠 正人(三重大学消化管・小児外科学)
抄録 【目的】炎症性腸疾患に対して術前に投与されたインフリキシマブ(IFX)の影響を,手術前後の血中濃度のとの関連から検討することした.【対象と方法】当科で2010年以降に腸管切除手術が施行された症例のうち,術前8週間以内にIFXが投与された潰瘍性大腸炎(UC)22例,クローン病(CD)22例を対象とした.手術直前および直後の患者末梢血を採取し,血清中IFX濃度をELISA法により測定し,周術期の臨床病理学的因子,とくに感染性・非感染性術後合併症との関連を検討した.【成績】術前IFX検出されたのはUC12例(54.5%),CD19例(86.4%)であった.UCにおいては術前6.20±4.56μg/dl,術後5.03±3.88μg/dl(81.1%,p=0.45),CDでは術前5.63±22.5μg/dl,術後3.93±3.65μg/dl(69.8%,p<0.01)とCDでは手術に伴い有意な現象が認められた.縫合不全をはじめとする術後の感染性および非感染合併症は,UC,CDともに血中IFX検出の有無との関連は認められなかった.また,血中IFX検出例中で術後合併症発生による術前,術後のIFX濃度には有意な差は認められなかった.【結論】CDでは手術により術後IFX濃度は術前に比し有意な低下が認められた.術前8週間以内のIFX投与による手術前後の血中検出の有無は,炎症性腸疾患における術後合併症発生に影響を与えないと考えられた.
索引用語