セッション情報 ポスター

大腸 IBD 2

タイトル P-058:

活動期潰瘍性大腸炎患者におけるpH依存型メサラジン放出調整剤の有用性の検討

演者 中澤 敦(東京都済生会中央病院内科)
共同演者 星野 舞(東京都済生会中央病院内科), 瀧田 麻衣子(東京都済生会中央病院内科), 石山 由佳(東京都済生会中央病院内科), 松崎 潤太郎(東京都済生会中央病院内科), 岸野 竜平(東京都済生会中央病院内科), 酒井 元(東京都済生会中央病院内科), 岩崎 栄典(東京都済生会中央病院内科), 泉谷 幹子(東京都済生会中央病院内科), 船越 信介(東京都済生会中央病院内科), 塚田 信廣(東京都済生会中央病院内科)
抄録 【背景】潰瘍性大腸炎は再燃と寛解を繰り返す原因不明の慢性炎症性腸疾患である.5アミノサリチル酸(5-ASA)製剤は軽症から中等症潰瘍性大腸炎に対する中心となる薬剤であり,アンカードラックとも言われている.しかし,従来の5-ASA製剤に不耐性,抵抗性の患者を認めることがある.2009年に保険適応となったアサコールはpH依存型のメサラジン放出調整剤であり,大腸送達性に優れており,従来の5ASA製剤に抵抗性の症例に対してその効果が期待される.【目的】従来の5-ASA製剤に不耐性,抵抗性の患者を含めた活動期潰瘍性大腸炎におけるアサコールの有効性について検討する.【方法】今回,当院において2010年7月から2013年7月の4年間にアサコールを開始した活動期潰瘍性大腸炎患者は33例中,重症でPSL強力静注療法を施行した4例と転院例1例を除いた28例(男性20例,女性8例)を対象としてUC-partial DAI(Sutherland index)を用いて投与前と投与4週間後のスコアを比較検討した.【成績】1)臨床背景は年齢は21-70(平均47)歳で,罹患範囲は全大腸炎型14例,左側大腸炎型12例,直腸炎型2例であった.2)重症度は軽症が18例で中等症が10例であった.3)サラゾスルファピリジン(SASP)からの変更が11例,メサラジン徐放剤(ペンタサ)からの変更が10例,アサコールの初回治療が7例であった.そのうち従来5ASA製剤のアレルギーによる変更が7例であった.4)partial DAIスコアは投与前平均が4.85から投与4週間後に1.44と有意に低下した.寛解および改善率は全大腸炎型で12/14(85.7%),左側大腸炎型で11/12(91.6%)であった.アレルギー群では5/7(71.4%)であった.導入した全例で明らかな副作用は認めなかった.【結論】pH依存型メサラジン放出調整剤は活動期潰瘍性大腸炎患者において,従来の5-ASA製剤に不耐性,抵抗性の患者を含めて副作用がなく,有効であることが示された.
索引用語