セッション情報 ポスター

大腸 IBD 2

タイトル P-059:

難治性潰瘍性大腸炎に対するタクロリムス単独療法とタクロリムス・血球成分除去併用療法の比較検討

演者 芳川 昌功(豊橋市民病院消化器内科)
共同演者 山田 雅弘(豊橋市民病院消化器内科), 浦野 文博(豊橋市民病院消化器内科), 内藤 岳人(豊橋市民病院消化器内科), 藤田 基和(豊橋市民病院消化器内科), 山本 英子(豊橋市民病院消化器内科), 松原 浩(豊橋市民病院消化器内科), 竹山 友章(豊橋市民病院消化器内科), 田中 卓(豊橋市民病院消化器内科), 廣瀬 崇(豊橋市民病院消化器内科), 鈴木 博貴(豊橋市民病院消化器内科), 木下 雄貴(豊橋市民病院消化器内科), 岡村 正造(豊橋市民病院消化器内科)
抄録 【背景】難治性潰瘍性大腸炎に対する薬物療法として,タクロリムス(TAC)が保険適応となった.強力な寛解導入療法により難治性潰瘍性大腸炎の治療成績が向上している.一方で,血球成分除去(CAP)療法はPSLの漸減や離脱効果が知られているが,TACとの併用における効果は明らかではない.【目的】ステロイド抵抗性・依存性の潰瘍性大腸炎患者に対してTAC単独療法を施行した群と,TACにCAP療法を併用した群とに分けて,CAP療法の有益性について検討した.【対象】2010年7月以降にステロイド抵抗性・依存性の潰瘍性大腸炎に対して,TAC単独療法あるいはTAC+CAP併用療法にて寛解導入を行った34例.【方法】A群:TAC単独療法群,B群:TAC+CAP療法併用群の2群に分け,それぞれの導入時点,1カ月後のCAIスコアー,3カ月後,6カ月後,12カ月後の累積寛解導入率を検討した.【結果】A群は16例(男9例,女7例)(軽症6,中等症5例,重症3例)で平均年齢は44.75(±18.38)歳,導入時点のCAIスコアーは平均8.06(±3.06)点,B群は18例(男9例,女9例)(軽症5,中等症6例,重症2例)で平均年齢は40.9(±18.32)歳,導入時点のCAIスコアーは平均7.66(±3.81)点であった.両群間に導入時の年齢,CAIスコアーに有意差は見られなかった.1カ月後のCAIスコアーはA群で3.25(±4.25)点,B群で2.25(±2.93)点でありB群で低い傾向がみられた.A群の導入後3カ月での累積寛解導入率は81.3%,6カ月では75.0%,12か月では53.8%であった.B群ではそれぞれ83.3%,76.5%,60.0%であった.両群間に導入後3カ月,6カ月,12か月の累積寛解導入率に差は認められなかった.【結語】難治性潰瘍性大腸炎に対するTAC療法において,CAP療法の併用は,TAC療法単独療法と比較して1カ月後のCAIスコアーを有意に低下させたが,長期での寛解導入率に差を認めなかった.
索引用語