セッション情報 ポスター

大腸 IBD 2

タイトル P-060:

難治性潰瘍性大腸炎に対するタクロリムス・インフリキシマブの有効性の検討

演者 野村 収(順天堂大学消化器内科学)
共同演者 長田 太郎(順天堂大学消化器内科学), 澁谷 智義(順天堂大学消化器内科学), 坂本 直人(順天堂大学消化器内科学), 石川 大(順天堂大学消化器内科学), 松本 健史(順天堂大学消化器内科学), 永原 章仁(順天堂大学消化器内科学), 荻原 達雄(順天堂大学消化器内科学), 渡辺 純夫(順天堂大学消化器内科学)
抄録 【目的】近年,潰瘍性大腸炎(UC)に対しタクロリムスとインフリキシマブが保険承認され難治性UCに対する有用性が認められている.今回,難治性UCに対しタクロリムスおよびインフリキシマブを投与した症例の有効性と臨床経過について検討した.【方法】2010年1月から2013年6月までに当院で難治性UCに対しタクロリムスおよびインフリキシマブを導入した連続する19症例を解析に用い,タクロリムス,インフリキシマブ導入後の臨床所見(CAI),内視鏡所見(Matts Grade)を評価した.【結果】タクロリムスを先行投与した19症例はステロイド抵抗11例,依存7例,不耐1例であった.投与後臨床症状の改善を認めた症例は16/19(84.2%)例であったが19症例のうち3例が腎機能低下や血小板減少により投与を中止している.内視鏡改善率は80%,粘膜治癒(MG2以下)が46.6%であった.症状の再燃を認めインフリキシマブの投与を行った症例は5症例で全例臨床的寛解が得られ計画的維持療法に移行している.インフリキシマブを先行投与した19症例はステロイド抵抗7例,依存11例,不耐1例であった.投与後臨床症状の改善を認めた症例は14/19(73.9%)例であり,全例3か月以上投与可能であった.内視鏡改善率は70.0%粘膜治癒は20.0%であった.両薬剤による症状および内視鏡所見の変動に関し有意差は認めなかった.【結語】タクロリムスおよびインフリキシマブ共に高い有用性を認めた.タクロリムスは高い寛解導入効果を認めるがタクロリムス不応になった症例ではインフリキシマブ投与により高い確率で奏功することが示唆された.
索引用語