セッション情報 | ポスター大腸 IBD 3 |
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タイトル | P-065:潰瘍性大腸炎に合併した肛門病変の検討 |
演者 | 小山 文一(奈良県立医科大学中央内視鏡・超音波部) |
共同演者 | 藤井 久男(奈良県立医科大学中央内視鏡・超音波部), 稲次 直樹(健生会奈良大腸肛門病センター), 吉川 周作(健生会奈良大腸肛門病センター), 中川 正(奈良県立医科大学消化器・総合外科学), 中村 信治(奈良県立医科大学消化器・総合外科学), 植田 剛(奈良県立医科大学消化器・総合外科学), 錦織 直人(奈良県立医科大学消化器・総合外科学), 山岡 健太郎(健生会奈良大腸肛門病センター), 井上 隆(奈良県立医科大学消化器・総合外科学), 川崎 敬次郎(奈良県立医科大学消化器・総合外科学), 尾原 伸作(奈良県立医科大学消化器・総合外科学), 中本 貴透(奈良県立医科大学消化器・総合外科学), 内本 和晃(奈良県立医科大学消化器・総合外科学), 中島 祥介(奈良県立医科大学消化器・総合外科学) |
抄録 | 【目的】クローン病に合併する肛門病変は,合併頻度が高く詳細な報告例も多い.一方,潰瘍性大腸炎(UC)に合併する肛門病変については,頻度も臨床的特徴も明らかにされていない.今回,UCに合併する肛門病変の臨床的特徴を明らかにするために,自験例の検討を行った.【方法】奈良県立医科大学消化器・総合外科学教室および健生会奈良大腸肛門病センターにおいて,2010年に特定疾患の医療受給申請を行っていたUC患者のうち,肛門病変に対して手術治療を施行した症例の検討を行った.UC患者の肛門病変については,性別,肛門病変発症年齢,UCの罹患年数,範囲,活動性との関係,治療法と予後について検討した.【結果】UC患者773例中,肛門病変に対して手術治療を施行した症例は21例(2.7%)であった.男性11例,女性10例で,肛門病変発症年齢の中央値は41歳(20-77歳)であった.UCの罹患年数の中央値は11年(2-31年)であった.痔核・裂肛が少なく(25.5%),痔瘻・膿瘍が多かった(76.2%).61.9%は全大腸炎型に合併したが,左側大腸炎型や直腸炎型にも合併した.活動期,寛解期,術後のいずれの時期にも見られた.クローン病におけるHughes分類の概念をUCの肛門病変に適用し,その発生機序からprimary lesion,secondary lesion,incidental lesion,術後の吻合部に関連した瘻孔に分類した.クローン病のような特徴的なprimary lesionは見られなかった.incidental lesionは局所手術が奏効する例が多かった.secondary lesionは全例瘻孔・膿瘍で,吻合部瘻孔とともに治療に難渋し,大腸全摘術やileostomy造設を要する例が多かった.【結論】潰瘍性大腸炎においては,瘻孔・膿瘍を主体とした肛門病変が存在することを念頭において診療を行うことが重要である. |
索引用語 |