セッション情報 | ポスター大腸 IBD 3 |
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タイトル | P-066:IBD関連小腸大腸癌診療の実態 |
演者 | 水島 恒和(大阪大学消化器外科) |
共同演者 | 中島 清一(大阪大学消化器外科), 山本 浩文(大阪大学消化器外科), 竹政 伊知朗(大阪大学消化器外科), 畑 泰司(大阪大学消化器外科), 西村 潤一(大阪大学消化器外科), 植村 守(大阪大学消化器外科), 竹山 廣志(大阪大学消化器外科), 内藤 敦(大阪大学消化器外科), 土岐 祐一郎(大阪大学消化器外科), 森 正樹(大阪大学消化器外科) |
抄録 | 【はじめに】近年,通常の大腸癌診療においては,薬物療法の占める割合が増加しつつある.しかしながら,IBD関連小腸大腸癌において,薬物療法を含む集学的治療をどのように実施していくかについての検討は少ない.【対象と方法】当科で診療を行った炎症性腸疾患関連小腸大腸癌15例(潰瘍性大腸炎(UC)8例,クローン病(CD)7例)を対象とし,臨床病理学的所見,薬物療法について検討した.薬物療法に関しては,進行癌に対する術後補助化学療法,治癒切除不能・再発病変に対する化学療法の実施状況,安全性を検討した.【結果】対象症例は男性9例,女性6例,炎症性腸疾患診断時年齢は24歳(中央値,17-76),小腸大腸癌診断時年齢は46歳(中央値,36-77)であった.UC関連癌は結腸癌3例,直腸癌5例,CD関連癌は小腸癌1例 結腸癌1例 直腸肛門管癌3例 痔瘻癌2例 瘻孔癌1例(異時性重複癌1例,同時性重複癌1例を含む)であった.術前確定診断はUC 8例(100%),CD 4例(57.1%),治癒切除不能例はUC 2例(25%),CD 3例(42.9%)であった.薬物療法を含む集学的治療として,術後補助化学療法施行例がUC 3例,CD 2例に,治癒切除不能・再発病変症例に対する集学的治療がUC 4例,CD 3例に実施されていた.実際に当院で薬物療法を実施した8例において,最も頻度の高い有害事象は下痢と貧血であり,それぞれ6例(75%)に見られた.Grade3以上の有害事象は下痢3例(37.5%),脱水2例(25%),体重減少2例(25%),全身倦怠感2例(25%),AST/ALT上昇1例(12.5%)であった.Grage3以上の下痢を認めた3例は全例CDであった.しかし,全例で下痢は対症療法でコントロール可能であり,治療の継続が可能であった.【まとめ】IBD,特にCD関連小腸大腸癌に対する化学療法に際しては,重篤な下痢の発現頻度が高く,注意や工夫が必要であると考えられた. |
索引用語 |