セッション情報 ポスター

大腸 IBD 3

タイトル P-067:

潰瘍性大腸炎に伴う直腸の腫瘍性病変―病変部位からみた肛門温存術式の選択―

演者 佛坂 正幸(潤和会記念病院外科)
共同演者 内山 周一郎(都城市郡医師会病院外科), 池田 拓人(宮崎大学腫瘍機能制御外科), 岩村 威志(潤和会記念病院外科), 千々岩 一男(宮崎大学腫瘍機能制御外科)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎(UC)に伴う腫瘍性病変の手術適応として,治療指針では大腸癌およびhigh grade dysplasia(HGD)を絶対的適応,low grade dysplasia(LGD)のうち癌合併の可能性の高い病変を相対的適応としている.しかしながら実際の臨床では直腸病変の場合,局所再発・吻合部再発の可能性があり,肛門温存の選択を躊躇する場合もある.今回,手術を施行した直腸の腫瘍性病変を伴うUC症例について検討した.【方法】1997年以降,腫瘍性病変のため手術を施行したUC17例のうち,直腸病変を持つ例は13例であった.このうち上部(RS,Ra)直腸7例,下部(Rb)直腸6例であった.上部直腸例の術前診断は全例で癌であり,高齢および高度進行癌を除く4例で回腸嚢肛門吻合術(IAA)を行った.下部直腸癌例の術前診断は癌:3例,HGD:2例,LGD:1例でHGD,LGDの3例はIAAを行い,癌の3例では腹会陰式直腸切断術(APR)を行った.【結果】IAAを行った上部4例の深達度はSE:1例(muc),MP:2例(tub1,tub2),M:1例(tub2)であった.現在まで71.0±55.4ヵ月(平均±標準偏差)を経過しており,SEの1例に骨転移はあるが,局所再発はみられていない.IAAを行った下部例の術後診断はHGD:2例,LGD:1例で,49.7±27.6ヵ月を経過しているが,局所再発はみられていない.APRを行った3例の深達度はSS:1例(sig),SM:1例(tub2),M:1例(tub1)であり,SSの1例は,術後71日目に肺転移のため死亡した.M,SM例はそれぞれ54ヵ月,6ヵ月を経過しており,無再発生存中である.【結論】UCに伴う腫瘍性病変のうち,RS,Raの癌およびdysplasia,Rbのdysplasiaが肛門温存手術の適応となり,Rbの癌では肛門温存手術の適応は慎重であるべきと思われた.下部直腸の病変では肛門温存のためには,LGDであっても手術を検討すべきと思われた.
索引用語