セッション情報 ポスター

腸炎1

タイトル P-069:

当院における高齢者大腸憩室炎入院症例の臨床的検討

演者 西俣 伸亮(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科)
共同演者 島岡 俊治(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 松田 彰郎(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 仁王 辰幸(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 飯福 沙織(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 馬場 由紀子(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 社本 多恵(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 豊田 真理(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 岩木 宏介(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 政 幸一郎(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 田代 光太郎(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 新原 亨(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 西俣 嘉人(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 堀 雅英(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 西俣 寛人(公益社団法人鹿児島共済会南風病院消化器内科), 北薗 正樹(公益社団法人鹿児島共済会南風病院外科・消化器外科), 末永 豊邦(公益社団法人鹿児島共済会南風病院外科・消化器外科)
抄録 【目的】食生活の欧米化や高齢化に伴い大腸憩室は近年増加している.また,それに伴い合併症である憩室炎も増加してきており臨床で遭遇する機会も多い.高齢者における大腸憩室炎を検討した報告はほとんどみられない.今回当院において入院加療を要した高齢者大腸憩室炎症例を非高齢者大腸憩室炎症例と比較検討した.【対象】2003年1月から2012年12月までの10年間に当院で腹部CTないし腹部超音波検査にて大腸憩室炎の診断で入院加療を要した302例(21-98歳)を対象とし,これを65歳以上(A群93例)と65歳未満(B群209例)とに分け検討を行った.【成績】男女比はA群B群それぞれ57:36,139:70であった.憩室炎の部位は右側(A群:38例,B群:147例),左側(A群:55例,B群:62例).入院期間はA群,B群それぞれ平均11.07日:16.81日で,うち14日以上の入院加療を要した症例はそれぞれ41例(44.1%),33例(15.8%)だった.治療は保存的治療(A群:68例,B群:179例),手術治療(A群:25例,B群:30例)で,そのうちの手術治療症例の内訳はA群B群それぞれ25例(26.9%),30例(14.4%)で部位は右側(A群:5例,B群:10例),左側(A群,B群いずれも20例)だった.手術理由の内訳はA群:B群それぞれ穿孔13:13,膿瘍7:12,狭窄3:3,頻回発症2:2,うちA群の1例はS状結腸穿孔に対する手術を施行するも治療の甲斐なく,術後12日で死亡退院となった.【結論】大腸憩室炎は男性に多く,手術を要する憩室炎は左側結腸が多い傾向だった.また,高齢者大腸憩室炎は非高齢者と比し左側結腸の割合が多く,入院期間や最終的に手術を要する患者が有意差をもって増加していた.高齢者は重篤な状態での受診が多いため,早急な診断・治療が望まれる.
索引用語