セッション情報 |
ポスター
腸炎1
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タイトル |
P-070:憩室炎治療後の大腸内視鏡検査の有用性についての検討
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演者 |
橋本 林太朗(仙台厚生病院消化器内科) |
共同演者 |
松田 知己(仙台厚生病院消化器内科), 長南 明道(仙台厚生病院消化器内科) |
抄録 |
【背景】急性憩室炎は憩室症の患者の10-25%に見られるとされる.憩室と大腸癌の相関を示す報告もあり急性憩室炎の保存的治療後に大腸内視鏡検査が推奨されているが,そのエビデンスは乏しい.また最近ではCTで膿瘍,瘻孔,局所穿孔の所見がない症例でのルーチンでの憩室炎治療後の大腸内視鏡検査に否定的な結果も報告されている.【目的】急性憩室炎の保存的治療後の大腸内視鏡検査で臨床的に重要なneoplasiaの所見が見られるかどうかを検討する.【方法】当院にて2008年4月から2013年8月の間にCTで急性憩室炎と診断され,保存的治療が成功した患者のうち治療後一年以内に大腸内視鏡検査が行われた成人101人(男性61人女性40人)を対象とした.【成績】大腸ポリープは37人(36.6%)に見られた.そのうち9人(8.9%)で切除適応と考えられたポリープが見られ,待機的にEMRが施行された.この内,より大腸癌に関連すると思われる前癌病変(大きさ1cm以上,絨毛腺腫成分を30%以上に認める,高度異型病変を有する,のいずれかを満たす病変)は2人(2.0%)で認められた.悪性病変は認められなかった.【結論】今回の検討においては,憩室炎の患者で臨床的に重要なneoplasiaの頻度は一般的な集団と比較して高いとは言えなかった.急性憩室炎後の大腸内視鏡検査は必ずしも全例では必要ない可能性が示唆された.文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |
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