セッション情報 | ポスター腸炎1 |
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タイトル | P-072:虚血性腸炎の診断に画像検査はどのように寄与するか |
演者 | 武藤 修一(北海道医療センター消化器内科) |
共同演者 | 中原 生哉(北海道医療センター消化器内科), 田中 道寛(北海道医療センター消化器内科), 渡邊 秀平(北海道医療センター消化器内科), 馬場 麗(北海道医療センター消化器内科), 小林 智絵(苫小牧市立病院消化器内科), 江藤 和範(苫小牧市立病院消化器内科), 小西 康平(苫小牧市立病院消化器内科), 山本 文泰(苫小牧市立病院消化器内科), 木村 宗士(北海道医療センター消化器内科), 大原 行雄(北海道医療センター消化器内科) |
抄録 | 【背景】虚血性腸炎は,基礎疾患と臨床症状で鑑別がある程度可能であるが,画像診断を併用すると診断はより正確となるため,内視鏡検査,CT検査,超音波検査等を行い確定診断としている.我々は,腹部超音波検査(エコー)が虚血性腸炎の診断に有用と考えるが,その必要性について検証を行った.【目的】基礎疾患の聴取と臨床症状のみで虚血性腸炎を疑い経過をみる事が可能であるか,エコーを行うのみで診断は可能か,見落としにつながらないか検証した.【対象と方法】対象は苫小牧市立病院において2011年10月~2013年8月,北海道医療センターにおいて2013年の4月~8月の間に虚血性腸炎と診断された80例(男性20例,女性60例)を対象とした.エコーを施行したのは52例.腹部症状から虚血性腸炎と疑った症例,疑っていなかったが画像検査後に虚血性腸炎と診断された症例を比較した.また画像検査としてまずエコーを行い虚血性腸炎と診断した症例が,その後内視鏡でも診断が変わらなかった症例数,診断が異なっていた症例数について検討した.なお,内視鏡検査所見をもって虚血性腸炎と診断した.【結果】虚血性腸炎を疑った症例数は,62例.そのうち3例は虚血性腸炎ではなかった.また,虚血性腸炎を疑わなかったが他の検査で診断されたのは18例であった.エコーで虚血性腸炎と診断したが,虚血性腸炎ではなかった症例は5例(6.3%)見られた.内訳は,S状結腸癌2例,偽膜性腸炎2例,感染性腸炎1例.内視鏡検査では虚血性腸炎と診断できたが,エコーで診断できなかった症例は1例(1.3%)であった.【考察】今回の検討からは,虚血性腸炎の20%程度は臨床所見ではなく,画像診断にて確定診断されていた.また,エコーによる虚血性腸炎の診断はおおよそ問題ないと考えるが,大腸癌の併存が考慮されるため,内視鏡検査はいずれかのタイミングで行うことが勧められる. |
索引用語 |