セッション情報 ポスター

腸炎2

タイトル P-077:

下痢を主訴に敗血症に陥った症例の検討

演者 井上 義博(岩手医科大学医学部救急医学)
共同演者 藤野 靖久(岩手医科大学医学部救急医学), 小野寺 誠(岩手医科大学医学部救急医学), 菊池 哲(岩手医科大学医学部救急医学), 佐藤 正幸(岩手医科大学医学部救急医学), 佐藤 寿穂(岩手医科大学医学部救急医学), 遠藤 史隆(岩手医科大学医学部救急医学), 野田 宏伸(岩手医科大学医学部救急医学), 小鹿 雅博(岩手医科大学医学部救急医学), 遠藤 重厚(岩手医科大学医学部救急医学)
抄録 <目的>下痢を主訴に敗血症に陥った症例を調査する.<対象>2001年から2011年までに当施設で経験した5症例.<結果>5症例の内訳は男性3例,女性2例で,年齢は35~82歳であった.既往は大腸手術を2例,胃及び胆嚢手術を各1例に認めた.主訴は下痢と発熱で,水様便が4例,血便が1例であった.食事が原因として疑われた症例は1例のみ(温泉卵であったが,確定せず)であった.来院時の白血球数は5840~21870/μl,CRPの最高値は10.5~35.4mg/dl,DICを全例に認め(血小板の最低値は14000~81000/μl),蛋白分解酵素阻害剤の投与を行った.4例に急性腎不全を認め,血液浄化療法を施行した.1例に出血性胃潰瘍を認め,再出血はあったものの内視鏡止血可能であった.細菌検査では糞便での病原菌検出例はなく,血液の陽性例は1例のみ(Enterobacter)であった.5例中3例は軽快退院(9~25日)し,1例は軽快転院(39日)となったが,血便の1例は3日後に死亡した.<まとめ>今回の検討では,下痢を主訴に敗血症に陥った症例に対する特定の誘因は認められなかった.全例でDICを合併し,4例に急性腎不全を合併したが,細菌検査では陰性例が多かった.高熱が続き,CRPが上昇する症例では,細菌検査の結果を待つことなく,重症化を意識して対応する必要がある.
索引用語