セッション情報 ポスター

大腸癌・内視鏡

タイトル P-078:

悪性大腸狭窄に対して大腸ステント留置術を施行した26例の検討

演者 今井 径卓(柏崎総合医療センター内科)
共同演者 小林 隆昌(柏崎総合医療センター内科), 佐藤 俊大(柏崎総合医療センター内科), 五十川 修(柏崎総合医療センター内科), 林 和直(燕労災病院内科)
抄録 【目的】2012年1月より本邦でWallFlex大腸用ステントが保険収載されたが,当院では2006年より必要時に大腸ステント留置術を施行してきた.通常,大腸ステントは術前腸管減圧目的(Bridge to surgery)と根治切除不能例に対する緩和目的(Palliative therapy)で使用される.当院における悪性大腸狭窄に対する大腸ステント留置術の成績を検証した.【方法】2006年6月から2013年7月までに悪性大腸狭窄に対して大腸ステント留置術を施行した26例を対象とした.性別は男性12例,女性14例,平均年齢は77.04歳(53-99歳).全症例が大腸原発であり(大腸癌術後再発を含む),上行結腸5例,横行結腸2例,下行結腸2例,S状結腸13例,直腸4例.留置目的は術前腸管減圧目的4例,緩和目的22例.使用ステントは,2008年まではUltraflex食道用ステント,2009年からはNiti-S胆管用ステント,2012年からはNiti-S胃十二指腸用ステントを用いた.【結果】26例中,25例でステント留置に成功した.留置成功した全25例で経口摂取可能となった.術前腸管減圧目的4例は平均9.0日後(1-14日後)に原発巣切除が行われた.再留置も含めた平均留置期間は153.4日(21-486日)であった.合併症は,穿孔2例(留置2日後,および4日後),閉塞4例(2例でステント再留置),逸脱1例を認めた.【結論】悪性大腸狭窄に対する大腸ステント留置術は,留置成功率が高く,腸管減圧目的,緩和目的のいずれにも有用である.しかし,腸管穿孔や逸脱等の偶発症も起こり得るため,安全に留置するよう細心の注意が必要である.
索引用語