セッション情報 | ポスター大腸癌・内視鏡 |
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タイトル | P-079:当院における大腸癌腸閉塞症例に対する治療方針の検討 |
演者 | 鹿野 敏雄(市立四日市病院外科) |
共同演者 | 筒山 将之(市立四日市病院外科), 末永 泰人(市立四日市病院外科), 坂田 和規(市立四日市病院外科), 倉田 信彦(市立四日市病院外科), 松村 卓樹(市立四日市病院外科), 江坂 和大(市立四日市病院外科), 寺本 仁(市立四日市病院外科), 森 敏宏(市立四日市病院外科), 桑原 好造(市立四日市病院消化器内科), 水谷 哲也(市立四日市病院消化器内科), 小林 真(市立四日市病院消化器内科), 矢野 元義(市立四日市病院消化器内科) |
抄録 | 【緒言】大腸癌イレウスは全大腸癌の3.1~15.8%とされており,稀な病態ではなく,市中病院ではごく一般に遭遇する病態である.一方で大腸癌イレウスはoncological emergencyであり,早急な診断と共に,イレウスの治療・解除,そして大腸癌としての手術の根治性と安全性を考慮しなければならない.当院外科にて大腸癌イレウスの症例を臨床的に検討した.【対象】当科では原則,大腸癌イレウス症例に対して減圧が可能であれば減圧し待機的手術を行うこととし,右側大腸癌症例は経鼻イレウス管,左側大腸症例は経肛門イレウス管を挿入することにより減圧し約1週間で手術を施行している.2008年4月から2012年12月までに大腸癌イレウスにて経鼻もしくは経肛門イレウス管挿入を試みた55症例(経肛門的イレウス管;49例,経鼻イレウス管;6例)を対象とした.【結果】腫瘍の局在は右側結腸13例,左側結腸・直腸42例.経鼻イレウス管は全症例において,経肛門イレウス管は49例中43例で減圧に成功した.1期的切除・吻合が行えたものは46例,2期的切除・吻合を行ったものが6例,人工肛門造設術が2例,バイパス術が1例であった.術前減圧期間は平均6.5日,平均術後在院日数は16.1日であった.術後合併症は50例中13例に認め,創感染4例,イレウス3例,縫合不全3例であった.さらにこれらの術後合併症をきたしたものについて,年齢・BMI・基礎疾患・術前の栄養学的予後指数(PNI),腫瘍マーカー値等を比較・検討した.合不全を起こした3例はいずれも直腸癌であり,栄養学的予後指数(PNI)は縫合不全を起こさなかったものと比較すると32.2vs42.2と低値にある傾向にあった.【結語】大腸癌イレウス症例に対してイレウス管挿入し,減圧することは一期的吻合術を施行するうえで有用と考えた.今後はメタリックステントを導入し,経肛門イレウス管との比較を検討中である. |
索引用語 |