セッション情報 ポスター

HCV 1

タイトル P-083:

TVR-PR3剤併用用法でSVRが得られた1b HCVのrecombinationを持つgenotype 2b C型慢性肝炎の1例

演者 小畑 達郎(宇治徳洲会病院消化器内科)
共同演者 竹本 隆博(宇治徳洲会病院消化器内科), 竹田 彬一(宇治徳洲会病院消化器内科), 高橋 和明(東芝病院研究部), 三代 俊治(東芝病院研究部)
抄録 【緒言】我々は,PEG-IFNα+Ribavirin(PR)2剤併用療法に難治であったgenotype 2b症例の難治原因が,genotype1b遺伝子のintergenotypic reconbinatuonと推察される1例を経験した.本症例にTelaprevir(TVR)-PR3剤併用療法を行ったところSVRが得られたので報告する.【症例】症例は40歳代男性.F3/A2の慢性肝炎で,HCV serotypeは1だが,genotypeは2bで高ウイルス量だった.20歳代の頃,IVDUだった.前医で1998年にIFNα単独24週,2005年にPR併用を30週間施行されたがNVRだった.当院初診は2009年.同年9月,PEG-IFNαをα2Aに変更してPR2剤併用療法を投与開始.17週で血中HCV-RNAが陰性化するLVRで,PR2剤併用療法を96週行ったもののTRに終わった.本例の難治原因が遺伝子学的問題であることを疑い,遺伝子解析を行ったところ,NS2領域に2b/1b junctionが存在する,intergenotypic recombinationを持つHCV株であった.TVRが有効と推察されたため,2012年2月よりTVR-PR3剤併用療法を行ったところ,6週目に血中HCV-RNA陰性化が得られ,SVR24に至った.【考案】TVRは遺伝子型2型C型肝炎には効果が得にくいとされている.本例は1b/2b junctionがNS2に存在し,NS3は遺伝子型1bに相同であった.このことが本例にTVR-PR3剤併用療法が有効であった理由と考えられる.
索引用語