セッション情報 | ポスターHCV 1 |
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タイトル | P-084:当院におけるうつ病合併C型慢性肝炎患者に対するIFNβの使用経験 |
演者 | 三好 久昭(香川大学医学部消化器・神経内科) |
共同演者 | 前田 瑛美子(香川大学医学部消化器・神経内科), 坂本 鉄平(香川大学医学部消化器・神経内科), 藤田 浩二(香川大学医学部消化器・神経内科), 三村 志麻(香川大学医学部消化器・神経内科), 野村 貴子(香川大学医学部消化器・神経内科), 谷 丈二(香川大学医学部消化器・神経内科), 森下 朝洋(香川大学医学部消化器・神経内科), 米山 弘人(香川大学医学部消化器・神経内科), 出口 章広(香川大学医学部消化器・神経内科), 樋本 尚志(香川大学医学部総合診療部), 正木 勉(香川大学医学部消化器・神経内科) |
抄録 | (緒言)C型慢性肝炎に対する治療はテラプレビルを含めた3剤治療により飛躍的に治療効果が高まり,従来より短い期間で高いSVRを得ることが可能になった.しかし皮疹,消化器症状,精神症状といった副作用のために,治療導入困難例や治療中断例が出ているのが現状である.特に現在主流となっているPEG-IFNα製剤には不眠,抑うつなどの精神的副作用があり,特に精神疾患を合併したC型慢性肝炎患者に投与する際には注意が必要である.そのような症例に対しては,精神症状の副作用が少ないIFNβ製剤が有用である.(目的)今回当院で経験したうつ病を合併したC型慢性肝炎患者に対する使用経験について報告する.(方法)当院で2010年~2013年にかけてうつ病を合併したC型慢性肝炎患者に対し,IFNβ製剤を投与した4例である.平均年齢は60.3歳,男性2名,女性2名.HCVのgenotypeは1b 2例,2型2例であった.ウイルス量は全例高ウイルス量であり,リバビリンを個々の体重に応じて投与量を決定し,併用した.IFNβの投与方法は1日2回投与法とした.つまり,IFNβ 300Mを,1日2回投与として,2週間連日投与し,以降は600Mを週3回として治療を継続した.うつ病の状態については,ハミルトンうつ病評価尺度(GRID-HMAD-21)を使用し,IFN投与前と投与2週間後で比較し,うつ症状の増悪がないかどうか評価した.(結果)全例うつ症状の増悪なく,予定通り,治療を完遂することができた.また4例中3例でSVRを獲得することができた.(結論)うつ病を合併しているC型慢性肝炎患者においてもIFNβ製剤を使用することで,うつ症状の増悪なく,治療を完遂することができた.今後は,現在おそらく主治医個々の判断で決定されている,うつ病合併のC型慢性患者に対するIFN治療導入の可否を決定する,具体的な基準を設けていく必要もあるのではないかと考えられた. |
索引用語 |