セッション情報 | ポスターHCV 1 |
---|---|
タイトル | P-086:ペグインターフェロンα-2a投与中に間質性肺炎と糖尿病を合併したC型慢性肝炎の1例 |
演者 | 仁科 惣治(川崎医科大学肝胆膵内科学) |
共同演者 | 小山 展子(川崎医科大学肝胆膵内科学), 佐々木 恭(川崎医科大学肝胆膵内科学), 中島 義博(川崎医科大学肝胆膵内科学), 河瀬 智哉(川崎医科大学肝胆膵内科学), 富山 恭行(川崎医科大学肝胆膵内科学), 吉岡 奈穂子(川崎医科大学肝胆膵内科学), 原 裕一(川崎医科大学肝胆膵内科学), 吉田 浩司(川崎医科大学肝胆膵内科学), 日野 啓輔(川崎医科大学肝胆膵内科学) |
抄録 | 【症例】68歳女性.C型慢性肝炎に対し2009年10月よりペグインターフェロン(PegIFN)α-2a 90ugの投与を開始.IFN投与前はFPG,HbA1c正常であり,経過中に副作用を認めていなかったが,投与49週目に38℃台の発熱,嘔吐,下痢を発症.2日後に消化器症状は改善するも,発熱,全身倦怠感が継続するため当科受診.FPG 419mg/dl,HbA1c 7.6%,総ケトン体4030μmol/L,尿ケトン(3+)より糖尿病性ケトーシスが疑われ当院緊急入院,補液と強化インスリン療法を開始し症状は改善した.尿中Cペプチド14.2μg/dayとインスリン分泌不全状態を認めたが,抗GAD抗体,ICA,抗IA-2抗体等の膵島関連抗体陰性であり,特発性1型糖尿病と診断した.また,熱源検索目的の胸腹骨盤部造影CTを施行,両側上肺野に不定形のすりガラス状陰影を認め,間質性肺炎と診断した.IFN投与中KL-6,SP-D値に変化を認めなかったが,PegIFNによる薬剤性肺炎を考慮し以後投与を中止とした.尚,呼吸状態悪化はなかったためステロイドは投与しなかった.入院2週間後のCTでは肺炎像は著明に改善し,入院3週間後には退院となった.【考察】PegIFNα-2aは他のIFNに比較して間質性肺炎発症例が多いと報告されている.またこれまでの報告では,IFN中に発症した1型糖尿病は自己免疫機序の関与が強く,膵島関連自己抗体陽性率は94%と高いが,本症例のように発症時の自己抗体陰性症例も約5%程度存在する.【結語】今回peg IFNα-2a投与中に間質性肺炎と1型糖尿病を合併したC型慢性肝炎の1例を経験した.IFN投与中の原因不明の発熱には間質性肺炎の合併を考慮すべきである.また1型糖尿病早期発見のためには,IFN治療中もHbA1cもしくは血糖値等の定期モニタリングが重要であり,IFN投与中の原因不明の発熱では間質性肺炎を疑い胸部CTを積極的にすべきである. |
索引用語 |