セッション情報 ポスター

HCV 1

タイトル P-087:

HCV,HIV重複感染に対するTelaprevirの使用経験

演者 大城 周(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野)
共同演者 須崎 愛(日本大学医学部内科学系総合内科学分野), 高安 賢太郎(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 平山 みどり(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 富田 崇志(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 三浦 隆生(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 塩澤 克彦(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 山本 敏樹(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 小川 眞広(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 松岡 俊一(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 田中 直英(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 森山 光彦(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野)
抄録 HCV(hepatitis C virus),HIV(human immunodeficiency virus)はともに血液を媒介して感染する.HIV感染者の約20%がHCVとの重複感染例であり,特に血液製剤によってHIVに感染した例においては,約97%が重複感染例であるとの報告がある.HIVに対する治療方法の進歩に伴い,現在ではHIV・HCV重複感染者の死因の約半数が,非AIDS関連死であるといわれている.そのため,HCV,HIVの重複感染者において,HCVの治療の選択は重要な問題であると考えられる.今回我々は,HCV,HIVの重複感染者に対してTelaprevir,Peginterferon,Ribavirinの3剤併用療法を行ったので報告する.症例は38歳男性,両性愛者.20歳時にinterferon(IFN)単独療法を行い無効であり,HCV再治療目的に他院より当院へ紹介された.当院で施行した,感染症検査でHIV抗体陽性であり,HIV-RNAも陽性であった.CD4は640/μlであった.HCV感染に対してTelaprevirを含む3剤併用療法を導入した.治療経過中,皮疹がみられる以外には副作用はなく,24週の治療を完遂した.本演題投稿時である,治療後8週目のHCV RNAは陰性で経過している.厚生労働省研究班の「HIV・HCV重複感染時の診療ガイドライン」によれば,HIV,HCV重複感染例において,1)C型慢性肝炎の進行が早い 2)高HCV量例が多い 3)CD4陽性リンパ球数が保たれている(>350/μl)時期のうちにHCVに対する抗ウイルス治療を考慮すべきであるとされている.Telaprevir,Peginterferon,Ribavirinの3剤併用療法はHCVに対する高い治療効果を有しており,有用な選択肢と考えられた.
索引用語