セッション情報 ポスター

HCV 1

タイトル P-088:

高齢者C型慢性肝炎に対するPegIFNα治療―個別治療の成績から:内科診療所におけるPegIFNα治療133例の検討

演者 菅野 雅彦(すがの内科クリニック)
共同演者 松野 たか子(すがの内科クリニック), 永田 聖華(すがの内科クリニック), 前川 直子(すがの内科クリニック)
抄録 【目的】診療所は高齢者が多く,TPV3剤併用は4例のみ.PegIFNα2a/ribは若年と効果副作用も著変なく高齢者の中心的治療,治療効果判明症例にてGr1高ウイルス(H)症例に対する個別化治療の有用性を検討.【対象と方法】効果判定しえた133例中65歳以上は34例(25.6%).Gr1HのPegIFNα2a/rib;18例を若年36例と比較.PegIFNα2b/ribは7例.副作用の全身倦怠(F),脱毛(A),食指不振(L),うつ(D)は点数化(0-3).PegIFNα2a単独少量長期含め9例(SVR64.3%):厳選例にて検討に含めず.【結果】PegIFNα2a/rib;全54例(59.1歳,M26:F28,RNA6.1,SVR;44.4%)中28例に標準治療に継続しα2a単独延長を行った.≧65歳のSVRは44.4%(≦64歳:44.4)と若年と同等,延長投与11例はSVR:54.6は標準;38.6に勝り,≦64歳(延長52.9:標準36.8)より顕著.≧65歳の個別化β先行(2-3W)投与14例:SVR53.9%は≦64歳(46.7)より勝る.Rib漸増投与5例:SVR80%(≦64歳:50%),両者とも条件の悪い症例が多く,延長投与も多い.副作用;F(1.17,≦64歳:0.75),A(0.83,0.58),L(1.00,0.58),D(0.39,0.42):Lのみ優位に高く(P<0.05),味覚障害(55.2%,11.1%),口内炎(51.7,22.2)のため?湿疹(58.6,25.0),掻痒感(75.9,22.2),TG高値(17.2,13.8)は高齢に多く,不眠(17.2,19.4),眩暈(7.8,11.1)は若年に多い.PegIFNα2b/rib;7例でSVR28.6%.≦64歳のSVR40.1%(10/27:Gr1高)やGr2(全例≦64歳):66.7%と異なり,男性はSVRなし(0/5).副作用;F(1.33,≦64歳;42例0.85),A(1.00,0.77),L(2.00,0.77),D(1.33,0.62)と若年より強い.不眠(57.1%,26.2),味覚障害(28.6,7.2),集中力低下(28.6,7.2)多く,湿疹(14.2,35.7),掻痒感(28.5,40.4)は少い.【結語】Gr1H高齢者に対しIFNβ先行,rib漸増,α2a単独延長投与等の個別対応にて導入を容易にし副作用脱落を減らし良好な効果を得た.診療所では投与毎に細かな対応可能,Simeprevirも加わり更なる向上を期待する.
索引用語