セッション情報 ポスター

HCV 2

タイトル P-089:

C型慢性肝炎未治療例に対するSimeprevir(TMC435)の使用経験

演者 神田 達郎(千葉大学消化器・腎臓内科学)
共同演者 新井 誠人(千葉大学消化器・腎臓内科学), 中村 昌人(千葉大学消化器・腎臓内科学), 姜 霞(千葉大学消化器・腎臓内科学), 宮村 達雄(千葉大学消化器・腎臓内科学), 呉 霜(千葉大学消化器・腎臓内科学), 安井 伸(千葉大学消化器・腎臓内科学), 中本 晋吾(千葉大学分子ウイルス学), 今関 文夫(千葉大学総合安全衛生管理機構), 横須賀 收(千葉大学消化器・腎臓内科学)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対する第2世代プロテアーゼ阻害剤Simeprevir(TMC435)が製造承認された.自験例で治療効果,有害事象等を検討したので報告する.【対象と方法】1)当科通院中のG1b高ウイルス量C型慢性肝炎未治療例6名(平均年齢46±15歳,男性/女性:4/2,IL28B Major/Minor:5/1)を対象とした.2)Simeprevirを含む3剤併用療法24週間およびペグインターフェロンアルファ2a,リバビリン2剤併用療法48週間(コントロール群)をそれぞれ3名(平均年齢47±11歳,男性/女性:2/1,IL28B Major/Minor:2/1)および3名(平均年齢45±21歳,男性/女性:2/1,IL28B Major/Minor:3/0)で施行した.3)HCV RNAはTaqMan PCRにて測定し,SVR判定は治療終了後24週目の時点で行なった.【成績】1)HCV RNA量はSimeprevir群およびコントロール群で治療開始2週の時点それぞれ(<1.2,<1.2,1.5)および(ND,4.3,2.3),治療開始3週の時点それぞれ(ND,ND,<1.2)および(ND,3.6,1.3)であり,IL28B Minor症例でも早期抗ウイルス効果は良好であった.2)Simeprevir群の1例は10週にて患者の希望により治療中止となったが,他の5例でSVRが得られた.3)SimeprevirのAdherenceは中止となった1例で84.5%であったが,他の2例では100%であり良好であった.4)有害事象に関してはSimeprevir群でRash,消化器症状,貧血,インフルエンザ様症状がみられたがその頻度はコントロール群とほぼ同様であった.重篤な皮疹はみられなかった.5)血液検査データではUN,Creの異常はみられず,高ビリルビン血症に関してはSimeprevir群の1例で,投与開始4週目に2.4 mg/dLと上昇したが,臨床的に問題とならなかった.【結論】C型慢性肝炎未治療例に対するSimeprevirを含む3剤併用療法は抗ウイルス効果も良好で,副作用も軽度であり,新たな標準的治療(Standard of Care)の一つとなるものと考えられた.
索引用語