セッション情報 | ポスターHCV 2 |
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タイトル | P-093:代償性肝硬変に対するpeg-IFN/ribavirin併用療法に血清25(OH)D3濃度が与える影響 |
演者 | 中川 愛(日本医科大学千葉北総病院消化器内科) |
共同演者 | 厚川 正則(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 島田 紀朋(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科), 糸川 典夫(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 近藤 千紗(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 安良岡 高志(日本医科大学消化器内科学), 橋本 知実(日本医科大学消化器内科学), 福田 健(日本医科大学消化器内科学), 松下 洋子(日本医科大学消化器内科学), 城所 秀子(日本医科大学消化器内科学), 楢原 義之(日本医科大学消化器内科学), 中塚 雄久(日本医科大学消化器内科学), 岩切 勝彦(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 川本 智章(日本医科大学消化器内科学), 坂本 長逸(日本医科大学消化器内科学) |
抄録 | 【背景】現在1型高ウィルス量のC型慢性肝炎の標準的治療は3剤併用療法であるが,我が国における代償性肝硬変に対する治療適用はなくpeg-IFN/ribavirin併用療法が施行されている.しかし肝硬変に対するpeg-IFN/ribavirin療法の成績は十分でなく効果が得られやすい症例の見極めが重要と思われる.我々は血清25(OH)D3濃度の肝硬変患者のpeg-IFN/ribavirin療法への関与について検討した.【方法】代償性肝硬変に対しpeg-IFN/ribavirin療法が施行された年齢中央値63歳(41-82)の男性73例,女性61例の合計134例を対象とした.【結果】TotalのSVR率は32.1%(43/134),relapseが29.1%(39/134),NVRが38.8%(52/134)であった.SVRに寄与する因子は単変量解析でhemoglobin高値,LDL-C高値,core aa70 wild type,ISDR mutant,AFP低値,25(OH)D3高値,IL28B major genotype(TT)であり,多変量解析ではIL28B major genotypeが唯一の独立因子として抽出された.また134例C型肝硬変症例の血清25(OH)D3濃度は中央値20ng/ml(7-45)であり92.5%で不十分とされる30ng/ml未満であった.SVRに関する血清25(OH)D3濃度をROC曲線で求めた15ng/mlをカットオフ値で層別化解析したところ,25(OH)D3濃度が15ng/ml未満の症例のSVR率は11.8%(4/34)と不良であったが,15ng/ml以上の症例では39%(39/100)でSVRを達成した.IL28Bと25(OH)D3濃度の最も重要な2つの因子でSVR率を比較したところ,TTかつ25(OH)D3濃度15ng/ml以上の症例は56.9%でSVRを達成していたが,nonTTかつ25(OH)D3濃度15ng/ml未満の症例は全例でnon SVRであった(0/17).【結語】代償性肝硬変に対するpeg-IFN/ribavirin療法を導入する際,血清25(OH)D3濃度はSVR率を予測する重要な因子になりえる可能性が示唆された. |
索引用語 |