セッション情報 | ポスターHCV 3 |
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タイトル | P-095:C型慢性肝炎患者のインスリン抵抗性に対するペグインターフェロン治療の影響について |
演者 | 下村 泰之(岡山大学病院消化器内科) |
共同演者 | 池田 房雄(岡山大学病院消化器内科), 竹内 康人(岡山大学病院消化器内科), 安中 哲也(岡山大学病院消化器内科), 萩原 宏明(住友別子病院内科), 高木 章乃夫(岡山大学病院消化器内科), 岩崎 良章(岡山大学保健管理センター), 山本 和秀(岡山大学病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】C型肝炎ウイルス(HCV)感染は肝障害の主要な原因であり,慢性肝炎,肝硬変と進展し,肝細胞癌を合併する.また,HCV感染によりインスリン抵抗性が引き起こされ,耐糖能異常を合併することが知られている.ペグインターフェロン(PEG-IFN)療法はHCV感染に対するウイルス除去療法として施行されているが,インスリン抵抗性に対する影響は明らかではない.また,インターフェロン(IFN)治療後に1型糖尿病を発症した症例が報告されているが,IFN治療による影響は明らかではない. 【方法】2007年1月から2012年6月の間に当院にてPEG-IFN治療を開始し,臨床研究への参加の同意を得られた105例のうち,非糖尿病症例で治療開始前と治療開始後1年後の空腹時血糖値,血清インスリン値を測定できた72例について,HOMA-IRを用いてインスリン抵抗性の変化を検討した.また1型糖尿病の発症について,開始前,治療開始後3ヶ月後,6ヶ月後,1年後の抗GAD抗体を測定し,検討した. 【結果】72例の背景は,平均年齢56.5歳,男/女37/35例,平均BMI22.2,genotypeは1型45例,2型27例であった.SVR45例,非SVR27例で,治療前と一年後の平均HOMA-IRは2.33と2.02で有意差は得られなかった(p=0.20).SVR群と非SVR群とで比較すると,SVR群では治療前から一年後でHOMAIRが2.52から1.84へと改善傾向にあった(p=0.07)が,非SVR群では治療前2.02,一年後2.30で改善傾向を認めなかった(p=0.49).SVR群の中でもBMIが25未満の非肥満群では治療前後のHOMA-IRは2.05から1.50へと有意に改善を認めた.(p<0.05).また,105例全例で治療開始前の抗GAD抗体は陰性で,経過中の抗GAD抗体を測定し得た症例で,陽性となった症例は認められなかった. 【結論】C型慢性肝炎に対するPEG-IFN治療によって,ウイルスが排除できた症例ではインスリン抵抗性,耐糖能障害が改善する可能性がある. |
索引用語 |