セッション情報 ポスター

HCV 3

タイトル P-099:

1型高ウイルス量に対する3剤併用療法による肝硬度の経過観察

演者 濱田 晃市(総合南東北病院消化器内科)
共同演者 西野 徳之(総合南東北病院消化器内科), 十林 賢児(総合南東北病院消化器内科), 斎藤 聡(虎の門病院肝臓センター)
抄録 【はじめに】C型慢性肝炎の治療後における肝硬度の報告も散見されるが,Shear Wave Elastography(SWE)を用いて測定した報告はない.今回,3剤併用治療によりShear Wave Elastographyによる肝硬度の経時的な検討を行った.【対象と方法】対象はゲノタイプ1型かつ高ウイルス量のC型慢性肝炎でテラビックを含む3剤併用治療を行い,治療開始後12週以上経過し,治療前・中・後にSWEによる肝硬度を測定した34例.男女比18:16,以下中央値(範囲)は年齢57歳(32-70),体重63kg(45-99),IL28B(rs8099917)TTメジャーホモタイプ90.9%,TPV開始量は2250mg/日16例とHb・年齢・体重により1500mg/日17例.SWEは治療前,治療中,治療終了後に右肋間で体表より深度3.5cmにROIを設定し,ROIは円形で直径10mm,3回測定し平均値を肝硬度とした.【成績】3剤治療は高尿酸血症,皮膚症状,貧血対策を行い,全例でTPVは12週の治療を完遂し得た.α-インターフェロン(IFN)による血小板低下や精神症状に関してはβ-IFNに変更し治療を継続した.12週の時点では全例RNA陰性化,24週時点ではRNA陰性化21例,再燃1例であった.SWEは治療前の肝硬度の中央値(範囲)は10.1(6.1-18.4)kPa,治療開始後1-6ヵ月の肝硬度は8.2(5.2-16.7)kPa,治療終了後の肝硬度は7.3(4.6-16.1)kPaであり,治療前と治療後を比較すると有意に治療後に肝硬度は低下した.再燃例も含めて,RNA陰性陰性化が得られた症例は有意に低下した(P=0.014).【結論】1型高ウイルス量に対する3剤併用療法では治療後のSWEによる肝硬度は治療後に低下した.SWEの低下は線維化改善以外の要因が大きいと思われるが,長期的な経過観察を行う予定である.治療前に肝硬度が18.0kPa以下では全例SVRが得られた(P<0.001).現時点ではSVR率は95%でSWEが高い症例における治療は今後の課題と思われる.
索引用語