セッション情報 | ポスターHCC-1 |
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タイトル | P-100:FibroScanによる肝硬度測定および脂肪化測定を用いたNBNC肝癌評価 |
演者 | 辰巳 明久(山梨大学第一内科) |
共同演者 | 佐藤 光明(山梨大学第一内科), 鈴木 雄一朗(山梨大学第一内科), 廣瀬 純穂(山梨大学第一内科), 小松 信俊(山梨大学第一内科), 三浦 美香(山梨大学第一内科), 中山 康弘(山梨大学第一内科), 井上 泰輔(山梨大学第一内科), 坂本 穣(山梨大学第一内科), 榎本 信幸(山梨大学第一内科) |
抄録 | (背景)近年NBNC型肝癌が急速に増加しておりその原因として脂肪肝炎の増加が疑われている.しかし高リスク群の囲い込みが困難であり,サーベイランス,早期発見が困難である.また糖尿病は肝癌のリスクであると報告されている.肝線維化および脂肪化はこれまで画像および組織学検査でなされていたが客観的評価は困難であった.FibroScanが開発され肝線維化,肝脂肪化が肝硬度およびCAP値として非侵襲的に定量可能となった.そこで線維化,脂肪化を測定することによりNBNC肝癌高リスク群の囲い込みが可能であるか検討した.(対象と方法)2012年8月から2013年6月にFibroScanを用いて肝硬度測定およびCAP測定を実施したNBNC肝疾患82例を対象とした.肝癌は17例に認められ,糖尿病は28例認められた.肝癌,非肝癌別の臨床背景を比較.肝硬度12.0kPaおよびCAP値にて4群に分類し肝癌の割合を比較した.(結果)肝癌群,非肝癌を肝硬度・CAP値を測定した時点での臨床背景を比較したところ,肝癌群は有意に高齢であり,Alb値は低値,血小板値は低値,肝硬度は高値,CAP値は低値であった.また肝硬度>12kPaは肝硬度≦12kPaに比較し有意に肝癌割合が多く(OR4.44 P<0.05),またCAP値≦260dB/m>260dB/mに比較し有意に肝癌割合が高い結果であった(OR5.33,P<0.05).さらに肝硬度>12kPaおよびCAP値≦260dB/mの群は肝硬度≦12kPaおよびCAP値>260dB/mの群に比べ有意に肝癌割合が高い結果であった.(OR18.9,<0.01)また肝硬度<12kPaおよびCAP値≦260dB/mの一見正常と判断される群は34例中5例に肝癌を認めた.そして非肝癌群では29例中8例糖尿病を合併しているのに比べ肝癌群は5例中4例と有意に糖尿病合併率が高かった(P<0.05).(結語)FibroScanによる肝硬度測定およびCAP値測定にてNBNC肝癌の囲い込みが可能であると考えられた.しかし糖尿病合併例については線維化,脂肪化とは独立した肝癌リスクと考えられた. |
索引用語 |