セッション情報 | ポスターHCC-2 |
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タイトル | P-106:ソラフェニブ投与後,画像上7ヶ月目より改善し,その後2年半以上CRが得られている肝細胞癌の1例 |
演者 | 小川 力(高松赤十字病院消化器内科) |
共同演者 | 森岡 弓子(高松赤十字病院消化器内科), 野田 晃世(高松赤十字病院消化器内科), 荒澤 壮一(高松赤十字病院消化器内科), 出田 雅子(高松赤十字病院消化器内科), 宮本 由貴子(高松赤十字病院消化器内科), 石川 哲朗(高松赤十字病院消化器内科), 松中 寿浩(高松赤十字病院消化器内科), 玉置 敬之(高松赤十字病院消化器内科), 柴峠 光成(高松赤十字病院消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学消化器内科) |
抄録 | 【症例】80歳代男性,【既往歴】C型慢性肝炎(インターフェロン治療歴なし),高血圧症,【現病歴】C型肝炎に対し他院でフォローアップされていたところ,肝細胞癌を疑われ,平成21年当院紹介となった.RFA1回,TAE3回を行ったが再発を繰り返し,アンギオ不応例と考え平成22年9月ソラフェニブ導入となった.【導入後の経過】ソラフェニブ400 mg/dayで導入したが,1か月後には,grade 2の手足症候群を認め,ソラフェニブ投与量を200 mg/dayに減量した.導入時,285 mAU/mlであったPIVKA-IIは,導入後徐々に上昇傾向を示し,5か月後には4823 mAU/mlまで上昇した.一方,画像上も,導入5か月間で肝細胞癌は増大・増加を認めた.ソラフェニブ中止を検討したが,相談のうえ継続したところ,導入6か月目よりPIVKA-IIは低下傾向に転じ,導入7か月後の画像では腫瘍の縮小傾向を認めた.その後も縮小を続け,導入37か月目の現在もCRとなっている.なおPIVKA-IIに関してはCR後も導入時とほぼ同じ300 mAU/ml前後を2年以上推移している.【まとめ】ネクサバールの治療効果判定はまだ一定の見解を得ていないが早期のPD症例は中止とする報告が多い印象がある.またソラフェニブ導入後のPIVKA-IIの上昇と治療効果について述べた報告が散見される.しかしながら本症例のようにPIVKA-IIの上昇だけでなく,画像評価として悪化傾向にあった肝細胞癌に対し,ソラフェニブの継続によって7ヶ月目に腫瘍縮小効果が得られた症例は極めて稀であり,かつその後2年半以上もCRを長期に継続している点で1例報告ではあるが貴重な症例と考える.またCRになるまでの期間に腫瘍生検を行った部位もあり,その病理組織を含め報告する. |
索引用語 |