セッション情報 ポスター

HCC-2

タイトル P-109:

高度進行肝細胞癌に対するミリプラチンを用いた放射線併用動注化学療法の有用性

演者 田中 宏典(徳島大学消化器内科学)
共同演者 谷口 達哉(徳島大学消化器内科学), 高山 哲治(徳島大学消化器内科学), 田中 貴大(徳島大学消化器内科学), 友成 哲(徳島大学消化器内科学), 原田 利枝(徳島大学消化器内科学), 佐藤 桃子(徳島大学消化器内科学), 三宮 勝隆(徳島大学消化器内科学), 宮本 弘志(徳島大学消化器内科学), 六車 直樹(徳島大学消化器内科学), 岡久 稔也(徳島大学消化器内科学)
抄録 【目的】門脈腫瘍栓を有する肝細胞癌に対する動注化学療法の有効性は過去に報告されているが,その効果は必ずしも十分ではない.一方,近年放射線治療技術が進歩し,肝細胞癌に対する放射線療法の有効性が高まりつつある.さらに,近年,肝細胞癌において抗癌剤と放射線治療の併用療法の有効性を示した報告も散見されるようになった.しかし,ミリプラチン(MPT)と放射線療法を併用した報告は認められない.そこで本研究では,肝細胞癌門脈浸潤(Vp3/Vp4)を伴った進行肝細胞癌を対象に放射線併用MPT動注化学療法の有効性と安全性について検討した.【対象と方法】2010年4月から2013年8月まで当科でMPTを用いた放射線併用動注化学療法を行った高度門脈浸潤(Vp3/Vp4)10例を対象とした.内訳は男性6例,女性4例,平均年齢68歳,背景肝はHCV/HBV/アルコール/その他:5/3/2/1,Child-Pugh A/B/C:7/3/0,Vp3/Vp4:8/2,肝外病変あり:3例,全治療歴あり:6例であった.放射線治療は対向二門あるいは多門により30-50Gy照射した.【結果】全体で2-8コース(中央値3コース)治療を行った.腫瘍栓に対する奏効率は72%(CR:2例,PR:4例,SD:3例,PD:1例),肝内病変の奏効率は61%(CR:1例,PR:5例,SD:3例,PD:1例)であった.平均生存期間は12.1カ月であった.Grade 2の肝機能障害は2例認めたが,速やかに改善した.その他にGrade 1以上の副作用は認めなかった.【結論】MPTを用いた放射線併用動注化学療法は,肝予備能が保たれていれば高い治療効果が得られ,比較的安全に施行できることが示唆された.
索引用語