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膵 診断

タイトル P-119:

膵腫瘤性病変に対するInterventional EUSの臨床的意義

演者 矢野 正明(国立病院機構金沢医療センター消化器科)
共同演者 大和 雅敏(国立病院機構金沢医療センター消化器科), 羽柴 智美(国立病院機構金沢医療センター消化器科), 梶 喜一郎(国立病院機構金沢医療センター消化器科), 林 智之(国立病院機構金沢医療センター消化器科), 丸川 洋平(国立病院機構金沢医療センター消化器科), 太田 肇(国立病院機構金沢医療センター消化器科), 浅井 純(公立松任石川中央病院消化器内科), 卜部 健(公立松任石川中央病院消化器内科), 金子 周一(金沢大学附属病院消化器内科)
抄録 【目的】膵腫瘤性病変は画像診断のみでは,診断が困難な症例も存在する.Interventional EUS(以下I-EUS)が診断・治療方針決定に寄与するか否かについて検討する.【方法】2010年7月から2013年8月に施行したI-EUS162例のうち,膵腫瘤性病変に対して施行したI-EUS 81例を対象とした.CT,MRI,FDG-PET等,他のモダリティーにてI-EUS施行前に膵癌と診断あるいは強く疑われる60例をPK群,膵内分泌腫瘍等その他の疾患を疑う21例をNPK群とし,I-EUSが診断・治療方針決定に寄与したか否かについて検討した.穿刺針は22G:68例(83.9%),19G:10例(12.3%),25G:3例(3.7%)を使用した.PK群の腫瘤径中央値は30(15~60)mm,NPK群の腫瘤径中央値は30(10~64)mmであった.【結果】PK群60例中,I-EUSにより膵癌以外と組織学的確診を得られた例が6例(10%)で,内訳は限局型AIP1例,NEC2例,悪性リンパ腫1例,リンパ増殖性疾患の疑い2例であった.またNPK群21例中,膵癌と診断されたものが5例(23.8%)であった.その他16例についてもNET4例,限局型AIP1例,MFH1例,SFT1例,inflammatory myofibroblastic tumor1例,他臓器癌転移1例,悪性リンパ腫1例,腫瘤形成性膵炎疑い1例,その他5例(悪性腫瘤性病変は否定され経過観察中の小SOL)であった.したがって膵腫瘤性病変81例中,PK群でI-EUSにより非膵癌と診断し得た6例とNPK群で膵癌と診断し得た5例の計11例(13.5%)が,I-EUSを施行することで膵癌か否かの正診が得られた.またNPK群で非膵癌と診断した16例(19.7%)においてもI-EUSにより画像診断のみでは得られなかった組織学的確定診断が得られ,治療方針決定に有用であった.【結論】膵腫瘤性病変に対するInterventional EUSは診断・治療方針決定に極めて有用であることが示唆された.
索引用語