セッション情報 ポスター

膵 IPMN

タイトル P-121:

当科におけるIPMN症例の臨床的検討

演者 平井 信行(厚生連高岡病院消化器内科)
共同演者 本藤 有智(厚生連高岡病院消化器内科), 澤崎 拓郎(厚生連高岡病院消化器内科), 国谷 等(厚生連高岡病院消化器内科), 小川 浩平(厚生連高岡病院消化器内科), 西田 泰之(厚生連高岡病院消化器内科), 寺田 光宏(厚生連高岡病院消化器内科)
抄録 【目的】IPMN症例の臨床的特長を検討する目的で以下の検討を行った.【対象】2005年4月から2013年4月までの8年間に当科で経験したIPMN症例33例に対して画像所見や,臨床的経過などに関して検討を加えた.【結果・考察】症例の男女比は男性21例,女性12例,平均年齢は71.8±9.3歳,平均観察期間は26.2±28.9ヶ月であった.CT・MRI・ERCPなどの画像診断による形態学的型分類では主膵管型(MD)3例(9.1%),混合型(Mix)11例(33.3%),分枝型(BD)19例(57.6%)であり,浸潤癌は各々1例(33.3%),5例(45.5%),0例(0%)であった.また,他部位悪性腫瘍の合併は,MD・Mix例で5例(35.7%),BD例で7例(36.8%)に認められた.MD・Mix例14例の検討では,臨床的進行癌は6例(42.9%:化学療法3例,BSC3例),切除にてIPMAであったものが3例(21.4%),手術拒否・経過観察例は5例(35.7%)であった.主膵管・混合型IPMNでは浸潤癌を呈するものが多く積極的切除の対象と考えられるが,高度のMPD拡張例でも比較的長期間変化の見られないもの,また壁在結節例でも切除にて悪性所見の見られないものもあり,悪性の指標に関しては今後さらに検討が必要と考えられた.分枝型19例の検討では,嚢胞径は25.6±10.6mm,30mm以上は9例(47.4%)であったが大部分は経過観察(期間33.3±30.1ケ月)された.手術は壁在結節の見られた2例で施行され,1例はIPMAであったが,嚢胞径20mmの1例に非浸潤癌が見られた.分枝型では今回浸潤癌は見られず,悪性率は低かった.また嚢胞径30mm以上の症例でも長期間悪性化しない症例も多く,多くは良性と考えられた.また造影される充実部分が疑われた切除例で腺腫症例がある一方で,小さな嚢胞で壁在結節を有し,切除で非浸潤癌であった例も存在し,切除例の選択には慎重な対応が必要と考えられた.
索引用語