セッション情報 ポスター

膵 IPMN

タイトル P-124:

残膵再発を来した主膵管型膵管内乳頭粘液腫瘍(IPMN)の検討

演者 島村 弘宗(国立病院機構仙台医療センター外科)
共同演者 木村 憲治(国立病院機構仙台医療センター消化器内科), 武田 和憲(国立病院機構仙台医療センター外科)
抄録 【目的】主膵管型IPMNは悪性化しやすく再発頻度も高いといわれている.我々はIPMNに対する初回手術後数年を経て残膵に再発を来し,再手術を施行した3例を経験した.これらを報告するとともに,IPMN主膵管型のfollowについて考察する.【症例1】男性,初回手術時54歳.膵体部に結節性病変を認める主膵管型IPMNの診断で膵中央切除術施行.病理検査の結果,実質浸潤のない膵管内乳頭粘液腺癌(IPMC)であった.膵断端は頭尾側とも軽度異型あり.65歳時,膵炎を繰り返すため精査したところ,膵頭部にIPMN再発を認めた.膵尾部には結節性病変を認めなかったため,膵頭十二指腸切除術を施行して膵尾部を温存した.病理検査の結果,IPMN由来浸潤癌であった.【症例2】女性,初回手術時79歳.膵尾部に結節性病変を認める主膵管型IPMNの診断で膵尾部切除術施行.病理検査の結果,実質浸潤のないIPMCであった.膵断端は高度異型を認めていた.82歳時,膵体部に結節性病変が認められた.膵頭部には病変を認めなかったため膵頭部を残して再度膵尾側切除を施行した.病理検査の結果,実質浸潤のないIPMCであった.【症例3】女性,初回手術時68歳.急性膵炎で入院し,膵頭部のIPMNと判明.膵頭十二指腸切除術を施行した.病理検査の結果,実質浸潤のないIPMCであった.膵断端は異型なし.71歳時,腹痛を主訴に入院し,精査にて残膵にIPMN再発を認めた.病変が残膵全域に及んでいたため,残膵全摘術を施行した.【考察】IPMNは比較的男性に多いが,今回は2例が女性であった.3例に共通するのは初回手術時の病変が何れも実質浸潤のないIPMCということである.女性2例は何れも初回から39か月余りで再発が判明し,再発病変もIPMCであったが,男性例は初回から125か月経っており,IPMN由来浸潤癌となっていた.【結論】主膵管型IPMNの術後は再発を疑ってfollowし,3年程度で再手術する例もあることを考慮すべきである.
索引用語