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膵 その他

タイトル P-128:

胆道出血に対し肝動脈IVRで止血後に胆道狭窄を発症した一例

演者 那須野 央(市立釧路総合病院消化器内科)
共同演者 鈴木 一也(市立釧路総合病院消化器内科), 川上 裕次郎(市立釧路総合病院消化器内科), 本間 賢太(市立釧路総合病院消化器内科), 藤井 健一(市立釧路総合病院消化器内科), 高橋 文彦(市立釧路総合病院消化器内科), 米澤 和彦(市立釧路総合病院消化器内科), 阿部 敬(市立釧路総合病院消化器内科)
抄録 症例は60代男性.倦怠感と心窩部痛を主訴に当院紹介.CEA 8.6,CA19-9 2129,造影CTにて膵頭部~鉤部にかけて門脈浸潤を伴う30×22mm大の乏血性腫瘤と肝S6に不整形の低吸収域を認めた.内視鏡的胆道造影では下部胆管に狭窄を認め,生検の結果はAdenocarcinomaであり,膵癌StageIVbの診断で,カバードメタリックステント10mm×6cmを留置し,ジェムザール単剤加療を開始した.診断から2ヶ月後頃に発熱・腹痛・肝胆道系酵素の上昇があり,CTにて十二指腸の狭窄と胃内に内容物の貯留を認め,食残による胆道ステント閉塞と考えられた.十二指腸狭窄の確認目的に上部内視鏡検査を行ったが,明らかな狭窄は確認できなかった.数日後より貧血の進行がありCTで胃内容物の再貯留を認めた.胃管留置したところ暗赤色の排液を認めたため内視鏡検査を施行.胃内から乳頭部付近まで凝血塊を認め,ステント内まで凝血塊を除去したところで鮮血の流出を認めた.即座に造影CT行い,ステント上端の近傍にpooingを認め,肝動脈出血が疑われ緊急IVR施行.右肝動脈からの造影で胆管方向に造影剤の流出を認めたため,マイクロコイルで塞栓術を行った.その後は貧血の進行はなく,食事形態の変更で胃内容物の再貯留も認めず化学療法を再開し退院.しかし退院後1週間で発熱があり来院.炎症反応軽度高値あり,食残によるステント再閉塞疑いで内視鏡的胆道造影施行したところ,コイル塞栓後付近の上部胆管に狭窄を認めた.メタリックステントを抜去し,後日上部胆管と下部胆管の狭窄を跨がるようにカバードメタリックステント10mm×7cmを再留置した.その後はステントの再狭窄なく経過している.【結論】胆道出血後にIVRで止血をしている報告はあるが,胆管狭窄を発症した報告は少ない.今回,胆道出血に対しIVR止血後に胆管狭窄を発症した一例を経験したので報告する.
索引用語