セッション情報 ポスター

膵炎1

タイトル P-131:

当院で経験した自己免疫性膵炎11例の検討

演者 小野里 祐介(山形県立中央病院消化器内科)
共同演者 白幡 名香雄(山形県立中央病院消化器内科), 今 孝志(山形県立中央病院消化器内科), 原 倫代(山形県立中央病院消化器内科), 川越 圭(山形県立中央病院消化器内科), 佐藤 英之(山形県立中央病院消化器内科), 藤嶋 昌一郎(山形県立中央病院消化器内科), 鈴木 克典(山形県立中央病院消化器内科), 武田 弘明(山形県立中央病院消化器内科), 深瀬 和利(山形県立中央病院消化器内科)
抄録 【目的】自己免疫性膵炎(AIP)の臨床像を明らかにすることを目的とした.【方法】診断を自己免疫性膵炎臨床診断基準2011に従い,2008年から2013年までにAIPと診断した患者11例について検討した.【結果】2011年の診断基準では確診が6例,準確診が1例,疑診が2例であった.2例は2006年の診断基準でAIPと診断されており,経過観察されていた症例であった.年齢は55歳から80歳(平均67.7歳),性別は男性9例,女性2例,発見動機はCTで膵病変を指摘されたものが2例,黄疸が2例,耳鼻科からの紹介が2例,肝障害が1例,心窩部痛が1例,エコーで膵腫瘤を指摘されたものが1例,エコーで胆嚢壁肥厚を指摘されたものが1例,体重減少が1例であった.診断時の血清IgGは779-3496mg/dLで1800mg/dL以上のものは5例であり,IgG4は97-1199mg/dLで135mg/dL以上のものは11例であった.膵病変の主座は膵頭部が4例,膵体部が2例,膵全体が5例,随伴症状(重複あり)は下部胆管狭窄が3例,硬化性胆管炎が2例,硬化性唾液腺炎が2例,肺門部リンパ節腫脹が2例,胆嚢壁肥厚が1例,腎疾患が2例,既往歴は糖尿病が2例,潰瘍性大腸炎0例,悪性腫瘍が3例(胃癌,胆嚢癌,直腸癌)であった.ステロイド治療は4例に対して行われた.5例は治療の介入なく経過観察されており,2例はこれから治療を行う方針である.治療は1例が40mgで開始し,そのほかの3例が30mgで開始している.そのうち40mgで開始したもののみ7.5mgに減量したところで再燃している.維持量としては5mgで経過を見ているものが3例,3.5mgで経過をみているものが1例で,全例生存中である.【結論】AIPは中年男性に多く,自験例でも9例が中年男性であった.画像所見ではCTやエコーで膵腫大やcapsule-like rim(6例)を認めた.ステロイド治療を行ったのは4例であり,全例で症状の改善を認めたが,1例は再燃した.AIPには様々な膵外病変が合併するため,全身検索を行うことも非常に重要である.
索引用語