セッション情報 | ポスター膵炎1 |
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タイトル | P-132:膵癌との鑑別を要した自己免疫性膵炎の検討:外科医が経験した9例 |
演者 | 浅利 貞毅(神戸大学肝胆膵外科) |
共同演者 | 松本 逸平(神戸大学肝胆膵外科), 新関 亮(神戸大学肝胆膵外科), 後藤 直大(神戸大学肝胆膵外科), 田中 正樹(神戸大学肝胆膵外科), 山下 博成(神戸大学肝胆膵外科), 石田 潤(神戸大学肝胆膵外科), 味木 徹夫(神戸大学肝胆膵外科), 岡崎 太郎(神戸大学肝胆膵外科), 松本 拓(神戸大学肝胆膵外科), 木戸 正浩(神戸大学肝胆膵外科), 武部 敦志(神戸大学肝胆膵外科), 田中 基文(神戸大学肝胆膵外科), 蔵満 薫(神戸大学肝胆膵外科), 福本 巧(神戸大学肝胆膵外科), 具 英成(神戸大学肝胆膵外科) |
抄録 | 【背景・目的・方法】2006年自己免疫性膵炎(AIP)診断基準の改訂以降,限局型AIPと膵癌(PC)との鑑別が重要となった.2011年同診断基準の改訂では,亜分類の包括と補助診断としての“ステロイドオプション”が採用され,診断プロセスがより明瞭化された.自験例9例の診断および治療につき検討を行った.【結果】9例中8例が男性で平均年齢は68.7歳.1)初発症状・診断契機:黄疸4例,上腹部痛2例,USで腫瘤像2例,高アミラーゼ血症2例.2)血液・膵内外分泌機能検査:血中IgG4値は9例全例で高値.RFは1例を除き8例陰性,抗核抗体陽性2例.PFD試験正常5例,低下1例.耐糖能異常2例.3)膵外病変:顎下腺腫大2例,縦隔リンパ節腫大1例.4)膵実質所見:限局性腫大3例(頭部2,体部1),限局性腫瘤5例(頭部2,体部2,尾部1).5)主膵管所見:限局性狭細4例(頭部2,体部2),び漫性狭細1例,限局性狭窄2例(頭部1,体部1),尾部途絶1例.6)下部胆管狭窄5例.7)脈管侵襲:脾静脈閉塞1例.8)経過:5例でPCとの鑑別に難渋し,全身麻酔下に開腹(膵中央切除を含む生検2,定型的膵切除3)を行った.切除後2例で残膵にAIPの再燃を認めた.【結論】限局型AIPの中で主膵管途絶・主要脈管閉塞・ステロイド抵抗性を示すPCと鑑別困難な例が存在する.ステロイド反応性の評価や開腹生検を含む組織診断を繰り返し行い,不要な膵切除を回避すべきである.また,ステロイド著効例でも経過観察・寛解維持療法中に再燃する例も存在する.今後,再燃例やステロイド抵抗例に対する治療法の選択・確立が急務である. |
索引用語 |