セッション情報 ポスター

膵炎1

タイトル P-134:

膵疾患におけるパンクレリパーゼの有効性に関する検討

演者 毛利 輝生(広島大学病院消化器・代謝内科)
共同演者 佐々木 民人(広島大学病院消化器・代謝内科), 芹川 正浩(広島大学病院消化器・代謝内科), 南 智之(広島大学病院消化器・代謝内科), 岡崎 彰仁(広島大学病院消化器・代謝内科), 行武 正伸(広島大学病院消化器・代謝内科), 石垣 尚志(広島大学病院消化器・代謝内科), 石井 康隆(広島大学病院消化器・代謝内科), 小酒 慶一(広島大学病院消化器・代謝内科), 吉見 聡(広島大学病院消化器・代謝内科), 清水 晃典(広島大学病院消化器・代謝内科), 壷井 智史(広島大学病院消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大学病院消化器・代謝内科)
抄録 【目的】慢性膵炎をはじめとする膵外分泌能不全患者に対し,2011年より膵消化酵素補充薬のパンクレリパーゼが使用可能となった.今回我々は,実地臨床におけるパンクレリパーゼの有効性を明らかにすることを目的とした.【方法】2012年5月から2013年9月までに当科で診療した膵疾患患者のうち,informed consentを行い,同意の得られた20例を対象とし前向きな検討を行った.パンクレリパーゼ服薬量は900~1800mg/dayとし,3か月後に評価を行った.主要評価項目は,パンクレリパーゼ服薬後の膵外分泌能不全症状(疼痛,軟便・下痢,便臭,腹部膨満),栄養状態の改善率とした.症状についてはVAS(visual analogue scales)を使用し評価した.副次的評価項目は,外分泌能,および膵酵素について検討した.【結果】患者背景は男女比13:7,年齢64歳であった.疾患の内訳は,慢性膵炎7例,膵癌4例,膵管癒合不全3例,自己免疫性膵炎2例,高アミラーゼ血症2例,限局性膵管狭窄1例,膵腫瘤1例である.症状は17例で認め,疼痛10例,軟便・下痢11例,強い便臭10例,腹部膨満5例(重複あり)で認めた.症状の改善を14例(82.4%)で認めた.内訳は疼痛5例(50%),下痢10例(90.9%),便臭7例(70%),腹部膨満3例(66.7%)で改善した.Alb≦4g/dlの低栄養患者は10例認め,Alb3.9g/dlから4.15g/dl(中央値)に改善した(p=0.019).膵癌患者でも4例中2例で栄養状態の改善を認めた.PFD testは10例で行い,72.6%から83.2%(中央値)に改善した(p=0.194).高アミラーゼ血症をきたしていた5例ではP-Amy85U/Lから59U/L(中央値)に低下した(p=0.022).【結論】膵外分泌能不全患者においてパンクレリパーゼ内服により症状,栄養状態,および外分泌能の改善を認めた.また高アミラーゼ血症に対しても効果がある可能性が示唆された.
索引用語