セッション情報 ポスター

膵炎1

タイトル P-135:

膵疾患に合併した膵外分泌機能不全に対するパンクレリパーゼの効果に関する検討

演者 大坪 公士郎(金沢大学がん高度先進治療センター)
共同演者 毛利 久継(金沢大学がん高度先進治療センター), 山下 要(金沢大学がん高度先進治療センター), 安本 和生(金沢大学がん高度先進治療センター), 矢野 聖二(金沢大学がん高度先進治療センター)
抄録 [目的]膵疾患では時に膵外分泌機能不全を発症し,下痢,低栄養状態などを来す.パンクレリパーゼは通常の膵酵素製剤の数倍の活性を持つ高力価の膵酵素製剤であり,主に非代償期慢性膵炎や膵切除などによる膵外分泌機能不全に対して用いられている.今回膵疾患に合併した膵外分泌機能不全に対するパンクレリパーゼの効果につきretrospectiveに検討を行った.[対象と方法]当科にて膵疾患に合併した膵外分泌機能不全に対してパンクレリパーゼ投与を行った5例を対象とした.内訳は非代償性慢性膵炎1例,膵切除後1例,膵癌3例であった.これら5例につき,症状,血清TP/Alb値の変化(投与前と4~8週後)によりパンクレリパーゼの効果を評価した.[結果]症例1:60歳,女性,非代償期慢性膵炎.パンクレリパーゼ900mg/日投与後,下痢は消失し,TPは6.4→8.0 g/dLに上昇.症例2:64歳,女性,膵体部癌術後.パンクレリパーゼ900mg/日投与後,下痢は消失.症例3:77歳,男性,膵頭部・胃・大腸の同時性3重複癌.S-1による全身化学療法により3つの腫瘍はいずれも縮小したが,経過中高度の低タンパク血症(TP/Alb 4.0/0.9 g/dL),全身浮腫を来した.パンクレリパーゼ1,800mg/日投与後,低タンパク血症,全身浮腫は著明に改善した(TP/Alb 6.5/3.8 g/dL).症例4:65歳,男性,膵頭部癌.パンクレリパーゼ1,800mg/日投与により下痢は減少するも,TP/Albは不変.症例5:50歳,男性,膵鉤部癌.パンクレリパーゼ1,800mg/日投与により下痢は減少し,TP/Albは4.9/1.9→6.0/3.1 g/dLに上昇.なお,症例4,5ではパンクレリパーゼのみでは下痢の改善は不十分であり,いずれも止痢剤の併用を要した.[結語]膵疾患に合併した膵外分泌機能不全に対するパンクレリパーゼの効果は概ね良好であり,低栄養状態が劇的に改善する症例もみられた.しかし,膵癌症例のうち2例ではパンクレリパーゼのみでは治療効果は不十分であり,今後さらなる検討が必要と考えられた.
索引用語