セッション情報 | ポスター膵炎2 |
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タイトル | P-137:閉塞性膵炎に対するEUS下膵管ドレナージの有用性 |
演者 | 小酒 慶一(広島大学病院消化器・代謝内科) |
共同演者 | 佐々木 民人(広島大学病院消化器・代謝内科), 芹川 正浩(広島大学病院消化器・代謝内科), 南 智之(広島大学病院消化器・代謝内科), 行武 正伸(広島大学病院消化器・代謝内科), 岡崎 彰仁(広島大学病院消化器・代謝内科), 石垣 尚志(広島大学病院消化器・代謝内科), 石井 康隆(広島大学病院消化器・代謝内科), 毛利 輝生(広島大学病院消化器・代謝内科), 吉見 聡(広島大学病院消化器・代謝内科), 清水 晃典(広島大学病院消化器・代謝内科), 壷井 智史(広島大学病院消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大学病院消化器・代謝内科) |
抄録 | 【背景】膵管狭窄に伴う閉塞性膵炎では,経乳頭的膵管ステント留置術が施行されるが,内視鏡的なアプローチが困難な症例に対しては外科的な膵管空腸吻合術が行われてきた.近年これらの症例に対してEUS下膵管ドレナージ(EUS-PD)の報告が散見されるようになったが,その有用性,安全性については十分なコンセンサスが得られていない.【方法】広島大学病院にて2008年1月から2013年10月までに,内視鏡的な膵管へのアプローチが困難な閉塞性膵炎に対してEUS-PDを施行した6例(7セッション)を対象とした.手技成功率,偶発症,治療後の経過を検討項目とし,その有用性・安全性を評価した.【結果】対象の平均年齢は65.1歳(48~81歳),男性5例,女性1例であった.閉塞性膵炎の原因は,PPPDに伴う膵胃吻合術後の吻合部狭窄が4例で,内視鏡的乳頭切除後の乳頭部膵管狭窄が2例であった.EUS下に経胃的膵管穿刺を試み,全例で成功した.ガイドワイヤーを乳頭部または吻合部までantegradeに誘導可能であったのは3例で,rendezvous techniqueを用いて乳頭部あるいは吻合部から膵管ステントを留置した.乳頭部あるいは吻合部へのガイドワイヤーの誘導が困難であった4例では,経胃的膵管ステント留置を試みた.穿刺ルートの拡張にSouhendraカテーテルを用いた2例では拡張困難であったが,通電ダイレーターを用いた2例ではステントの留置に成功した.全体の成功率は71%であった.処置後に腹部症状の出現,出血及び炎症反応・膵酵素の上昇を来した症例はなく,偶発症は全例で認めなかった.治療後2例でステントの自然脱落に伴う膵炎の再発を認め,ステントの再留置を必要とした.そのうち1例に対しては脱落を防ぐことを第一に考え,uncovered metal stentを経胃的に留置し,その後1年間再発を認めていない.【結語】EUS-PDは,内視鏡的な主膵管アプローチが困難な閉塞性膵炎に対して有用な治療法である可能性が示唆された. |
索引用語 |