セッション情報 | ポスター膵炎2 |
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タイトル | P-138:早期動注療法およびトロンボモジュリンが奏功した重症急性膵炎の一例 |
演者 | 岩井 眞紗子(京都大学消化器内科) |
共同演者 | 辻 喜久(京都大学消化器内科), 平野 智紀(京都大学消化器内科), 船越 太郎(京都大学消化器内科), 福田 晃久(京都大学消化器内科), 児玉 裕三(京都大学消化器内科), 仲瀬 裕志(京都大学消化器内科), 千葉 勉(京都大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】急性膵炎は,膵壊死を合併すると予後不良である.膵壊死の前段階として膵虚血が存在するが,膵虚血を改善するための有効な治療法は未だに確立していない.今回,膵炎発症早期に膵虚血を認めたが,治療に伴い著しく虚血領域が改善した症例を経験したので報告する.【症例】74歳,女性 午前9時頃より背部痛・腹痛が出現し近医を受診,重症急性膵炎(APACHE score10点,予後因子1点,CT Grade3)と診断され同日17時に当院に搬送された.来院時の造影CTでは,膵頭部および鈎部の造影効果は乏しく膵壊死の可能性が示唆された.膵局所に対して抗生剤および蛋白分解酵素阻害剤持続動注療法(上腸間膜動脈からFUT+MEPM),末梢からトロンボジュリン(TM),ATIII製剤,大量輸液投与を行い,腎不全を合併したためCHDFを導入した.第2病日には,可溶性フィブリン(SF)値は57μg/mlと上昇し,さらに呼吸不全を合併,人工呼吸管理とした.しかし,第5病日になるとSF値は8.9μg/mlと低下しCTでは膵頭部の造影不良域は改善したため,同日動注カテーテルを抜去しICU退出とした.入院日および,第4病日の造影CTから作成された血流マップ(Subtraction Color Map)をそれぞれ比較すると,著明に膵血流は改善していた.現在,一般病棟にて加療され順調に回復しつつある.【考察】第2病日のSF値が上昇していたことから凝固亢進状態であったがFUTおよびATIII製剤,トロンボモジュリンにより第II因子が抑制され,凝固異常が改善し結果として膵局所の血流障害が改善した可能性が示唆された. |
索引用語 |