セッション情報 ポスター

膵炎2

タイトル P-140:

当院にて急性膵炎後被包化膵壊死に対し,内視鏡的necrosectomyを施行した2症例

演者 三宅 隼人(近江八幡市立総合医療センター消化器内科)
共同演者 赤松 尚明(近江八幡市立総合医療センター消化器内科), 茂森 賢太(近江八幡市立総合医療センター消化器内科), 楊 孝治(近江八幡市立総合医療センター消化器内科), 森沢 剛(近江八幡市立総合医療センター消化器内科), 石川 博己(近江八幡市立総合医療センター消化器内科), 保田 宏明(京都府立医科大学消化器内科)
抄録 【症例1】40歳代男性.2012年7月,急性膵炎発症(初診時:造影CT grade2,予後因子0点).病勢増悪し,ICU管理開始.その後,膵炎自体の病勢は改善を認めていたが,経過中に急性膵炎後被包化膵壊死に感染を合併.経皮的ドレナージに加え外科的necrosectomyを施行したが,感染コントロール困難.そのため,第114病日に経胃的内瘻化を施行後,内視鏡的necrosectomyに踏み切った.計4回の内視鏡的necrosectomy施行にて全身状態・炎症反応共に改善,CT上も病巣は著明に縮小.経過良好にて第239病日退院となった.【症例2】40歳代男性.2013年6月,急性膵炎発症(初診時:造影CT grade2,予後因子0点).胆石性膵炎の診断にて,緊急内視鏡的胆道ドレナージ術施行したが,病勢増悪.今症例もICU管理開始.その後病勢は沈静化を認めたが,膵壊死巣の増大傾向を認め,第40病日に経胃的内瘻化を施行,その後,内視鏡的necrosectomyを計10回施行.CT上病巣は著明に縮小を認めていたが,10回目の内視鏡的necrosectomy手技中に病巣内血管より大量出血.一時は内視鏡的処置により止血を得たが,再出血エピソード数回あり.血管内塞栓術や外科的治療も試みるが完全止血が困難な状況.ご家族より積極的治療を望まない旨の意思表示あり,第110病日死亡退院となった.【考察】急性膵炎後被包化膵壊死に対して,内視鏡的necrosectomyは有効な治療の1つと考えられる.しかし,当院で施行した症例のように合併症の危険性も孕んでおり,その施行時には十分な注意が必要である.今回は急性膵炎後被包化膵壊死に対して内視鏡的necrosectomyを施行した2症例を経験したので,その有効性・危険性・適応等を含め,若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語