セッション情報 ポスター

臨床病態-1

タイトル P-144:

急性期病院における消化器疾患に対する栄養サポートチームの有用性

演者 古屋 智規(秋田赤十字病院総合診療科)
共同演者 大内 慎一郎(秋田赤十字病院消化器外科), 岩崎 渉(秋田赤十字病院消化器外科), 佐藤 公彦(秋田赤十字病院消化器外科), 小棚木 圭(秋田赤十字病院消化器外科), 小棚木 均(秋田赤十字病院消化器外科)
抄録 【背景と目的】消化器疾患の急性期における栄養療法は腸管の使用ができない等の理由で困難である.当院は地方中核市の急性期病院で,地域の消化器疾患診療の中心的役割を担い,栄養サポートチーム(NST)加算を取得し日本栄養療法推進協議会認定病院である.そこで,NST活動内容から消化器疾患に対するNSTの役割を明らかにする.【対象と方法】当院NSTの支援形式は全科スクリーニング型で,ICU緊急入室,気管挿管/人工呼吸器管理,低アルブミン値(<3.0g/dl,2週毎),総合診療科緊急入院の患者で主治医の了承を得てNST支援を開始.また,主治医からのコンサルテーションでは24時間以内に全例支援を開始した.支援内容は必要熱量の過不足ない投与,腸管の可及的使用を基本とし,週1回の回診で目標達成まで支援を継続した.目標達成の基準は経口/経腸ルートからの必要熱量確保,食事摂取量増加,病態改善等として総合的に評価した.支援件数の推移を検討するとともに,12年度の目標達成率,目標達成までの期間を,全体と消化器(内および外)科に分けて後方視的に調査した.【結果】NST支援件数の推移は13→154→548→499件(9→12年)と増加した.また,12年度支援総数102名(13年度への継続例等除く)中,消化器科は59名(57.8%,うち消化器外科40名,消化器内科19名)で,目標達成率,達成までの期間は,全体で72.1%,25.0(163~3)日;中央値,最大値~最小値以下同),消化器科では79.7%,30.0(107~4)日と,消化器科以外の62.2%,16.5日(163~3)日と比較し,達成率は高かったが,達成までに長期を要した.さらに消化器内科,外科別では達成までの期間に差はなかった(29,30日)が,達成率は外科で高く(95.0%),内科(47.4%)で低かった.【結語】消化器疾患のNST支援は長期を要するものの,達成率は高い.すなわち,原疾患の急性期治療をより効果的に行うためにも多職種によるNST支援は必要かつ有効と思われた.
索引用語