セッション情報 ポスター

症例胃癌1

タイトル P-149:

進行胃粘液癌の術後肝転移に対してラジオ波焼灼術を行い長期無再発生存となった1例

演者 中川 朋(東大阪市立総合病院消化器外科)
共同演者 植田 裕司(東大阪市立総合病院消化器外科), 松本 謙一(東大阪市立総合病院消化器外科), 武田 昴樹(東大阪市立総合病院消化器外科), 菅生 貴仁(東大阪市立総合病院消化器外科), 長岡 慧(東大阪市立総合病院消化器外科), 金 致完(東大阪市立総合病院消化器外科), 小西 健(東大阪市立総合病院消化器外科), 遠藤 俊治(東大阪市立総合病院消化器外科), 奥山 正樹(東大阪市立総合病院消化器外科), 山田 晃正(東大阪市立総合病院消化器外科), 西嶌 準一(東大阪市立総合病院消化器外科)
抄録 【はじめに】胃粘液癌は,稀な組織型で予後が悪いといわれている.進行胃粘液癌の術後に2回の肝再発を認め,いずれもラジオ波焼灼術で治療し,以後無治療で無再発生存となった症例を経験したので報告する.【症例】67歳,男性.2008年3月に胃全摘術,D2郭清を行った.術後病理組織診の結果は[M,Gre,Type3,12×8cm,muc>tub2,SE,int,INFb,ly3,v0,N+(19/26)]であり,最終診断はMK(M,T3(SE)N2 M0 P0 CY0 H0,stage IIIB)(第13版)であった.術前の腫瘍マーカーはCEA/CA19-9 53.0/1443.7と高値であったが,術後には正常化した.同年4月より術後補助化学療法としてTS-1療法を開始した.2009年3月(術後1年)のf/u CT検査にて,肝外側区域に10mmの造影効果のない腫瘤が出現し,CEAが5.2と微増した.同年6月に再度CT検査を行ったところ腫瘤は15mmに増大し,血液検査ではCEAが23.5と上昇した.胃癌肝転移と診断,同年7月にラジオ波焼灼術を行った.CEAは焼灼後正常化した.2010年8月(術後2年5ヶ月)のCT検査で,肝S1に10mm大の低吸収域の出現を認めた.再度,胃癌肝転移と診断し,ラジオ波焼灼術を行った.2回目の肝転移まではTS-1療法を行っていたが,2回目のラジオ波焼灼術以降はweekly PTX療法を2コース行った.以後は,無治療で外来経過観察中であるが,2013年9月(術後5年6ヶ月)現在,無再発生存中である.【考察】当院で過去に経験した胃粘液癌36例を検討したところ,発見時の壁進達度は52.7%がSE以上で,リンパ節転移は47.2%に認められた.リンパ管侵襲と静脈侵襲はそれぞれ88.9%と66.7%の症例で認められた.胃粘液癌は,発見時にはすでに進行していることも予後不良の一因であると考えられた.非常に進行した胃粘液癌の再発に対して,化学療法と局所療法を組み合わせることで治療が奏功した症例を経験したの,文献的考察を加えて報告する.
索引用語