セッション情報 ポスター

症例胃癌1

タイトル P-150:

粘膜下層深部浸潤を来した隆起型十二指腸癌の一例

演者 城 尚志(大阪船員保険病院内科)
共同演者 後藤 理絵(大阪船員保険病院内科), 村田 浩昭(大阪船員保険病院内科), 林 暢彦(大阪船員保険病院内科), 辻 晋吾(大阪船員保険病院内科)
抄録 症例は60歳台男性.2013年6月に検診の上部消化管内視鏡検査にて,十二指腸球部後壁に約10mmのIIa病変を認め,生検にてwell differentiated adenocarcinoma(tub1)であった.内視鏡所見上,陥凹部分認めず,粘膜内病変が疑われたため,初回診断約1ヶ月後の同年8月にEMRを施行した.一括切除可能であったが,病理組織検査結果は0-IIa,9×8mm,tub1,SM(1250μm),INFa,ly(0),V(0),HM(1),VM(0)であった.報告上,粘膜下層深部浸潤を伴う十二指腸癌のリンパ節転移の可能性は約10%以上と推定され,非治癒切除と考え,本人や家族と相談の上,追加手術の方針となった.内視鏡治療約1ヶ月後の同年9月に,追加手術として,十二指腸部分切除術(幽門側胃切除術)を施行した.リンパ節は3,4d,5,6,8,12a,12bを廓清した.手術標本にて,腫瘍の遺残やリンパ節転移は認めず,治癒切除と判断した.現在,無再発にて外来フォロー中である.10mm以下の隆起型早期十二指腸癌で,粘膜下層浸潤を伴う報告は少ない.今回我々は粘膜下層深部浸潤を認めた隆起型十二指腸癌に対し,内視鏡治療後に追加手術を施行した症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
索引用語