セッション情報 | ポスター症例胃癌2 |
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タイトル | P-155:血栓性静脈炎後に多発性脳梗塞を発症したTrousseau症候群を呈した進行胃癌の一例 |
演者 | 坂本 洋一(神戸労災病院消化器内科) |
共同演者 | 的場 是篤(神戸労災病院消化器内科), 眞弓 周子(神戸労災病院消化器内科), 有吉 隆佑(神戸労災病院消化器内科), 中田 一弥(神戸労災病院消化器内科), 吉見 健太郎(神戸労災病院消化器内科), 石原 禎子(神戸労災病院消化器内科), 山東 功佳(神戸労災病院消化器内科), 森 健次(神戸労災病院消化器内科), 久保 公了(神戸労災病院消化器内科) |
抄録 | 【症例】50歳台男性【主訴】上腹部痛【現病歴】平成25年5月中旬より右下肢痛及び左上肢痛が出現し,近医にて血栓性静脈炎の診断で抗血小板薬・抗凝固薬・NSAIDの内服投与が行われていた.内服後2週間の経過にて上腹部痛が出現し,消化性潰瘍疑いで当院紹介となった.上部消化管内視鏡検査施行し,進行胃癌からの出血性貧血が疑われたため同年6月初旬に当科紹介入院となった.【入院後経過】第2病日に突然の意識障害,左片麻痺が出現し,頭部MRIにて右中大脳動脈領域・左前頭頭頂葉・両側小脳半球に多発性梗塞を認めた.血液検査にて血小板減少及びD-dimerの上昇を伴っていた.造影CT検査にて右腎及び四肢にも梗塞を認め全身性に血栓症が多発するとともに,傍大動脈リンパ節及び多発肝転移が認められた.進行胃癌に対しては化学療法導入予定であったが,Trousseau症候群及び播種性血管内凝固症候群(DIC)の病勢コントロール付かず第46病日に多臓器不全で死亡となった.【考察と結語】担癌患者にみられる凝固異常はTrousseau症候群としてしられており,同疾患には血液凝固亢進による脳梗塞や血栓性静脈炎の合併頻度が高く,予後不良とされている.今回われわれは,進行胃癌に合併したDICを背景に時間的ならびに空間的に多発する脳梗塞を認めたTrousseau症候群の一例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する. |
索引用語 |