セッション情報 ポスター

胃ESD

タイトル P-158:

胃平坦隆起性病変の内視鏡診断~通常観察とNBI併用拡大観察における検討~

演者 野中 敬(横浜市立大学附属病院消化器内科)
共同演者 稲森 正彦(横浜市立大学附属病院消化器内科), 前田 愼(横浜市立大学附属病院消化器内科), 本多 靖(平塚市民病院消化器内科), 厚川 和裕(平塚市民病院消化器内科), 松浦 瑞枝(横浜市立大学附属病院消化器内科), 日暮 琢磨(横浜市立大学附属病院消化器内科), 飯田 洋(横浜市立大学附属病院消化器内科), 遠藤 宏樹(横浜市立大学附属病院消化器内科), 古出 智子(横浜市立大学附属病院消化器内科), 高橋 宏和(横浜市立大学附属病院消化器内科), 芝田 渉(横浜市立大学附属病院消化器内科), 高橋 久雄(平塚市民病院消化器内科), 中島 淳(横浜市立大学附属病院消化器内科)
抄録 【目的】胃平坦隆起性病変は胃腺腫と胃癌に大別されるが,良性腫瘍とされる胃腺腫の治療方針に一定の見解は得られていない.実臨床では術前生検で腺腫と診断された病変が術後に腺癌と判明する事も少なくない.内視鏡所見における腺腫と腺癌を鑑別し得る所見を,白色光通常観察(CE-WLI)およびNBI併用拡大観察(ME-NBI)において遡及的に解析した.
【方法】当院でESDが施行された胃平坦隆起性病変を対象とし,最終病理診断をVienna classificationに則って腺腫群と腺癌群に分類し,各群における内視鏡所見を遡及的に解析した.CE-WLIにおける検討項目として,腫瘍径,色調,辺縁形状,表面陥凹,びらん,潰瘍,結節隆起の有無を,ME-NBIにおける検討項目として,微小血管構築像(MV)と表面微細構造(MV)の其々で視認性,形態,形状,密度,副所見,領域不整を解析し,其々の診断精度を検討した.
【成績】CE-WLIの検討において解析可能であった病変は,腺腫群58病変,腺癌群164病変,計222病変であり,腫瘍径,発赤が多変量解析にて有意な所見として抽出された.ME-NBIの検討において解析可能であった病変は,腺腫群19病変,腺癌群66病変,計85病変であり,MVにおける血管拡張,領域不整,またMSにおける絨毛状や多角形状の腺管形態,腺管融合や不明瞭化,腺管拡張,領域不整が腺癌に有意な所見として抽出された.一方,円形状の腺管形態が腫瘍内に観察される病変は腺腫である可能性が高い病変であった.
【結論】ESDによって診断が得られた胃平坦隆起性病変のCE-WLIおよびME-NBIを遡及的に解析し,胃腺腫と胃癌を鑑別し得る内視鏡所見を検討した.本研究で得られたCE-WLIの鑑別所見に加え,ME-NBIの情報を加味する事が治療方針を決定する上で有用と思われた.
索引用語