セッション情報 ポスター

胃ESD

タイトル P-159:

UL合併早期胃癌に対するESD~根治性評価におけるULの影響~

演者 鈴木 肇(札幌厚生病院第一消化器科)
共同演者 前田 聡(札幌厚生病院第一消化器科), 末永 大介(札幌厚生病院第一消化器科), 賀集 剛賢(札幌厚生病院第一消化器科), 柳原 志津妃(札幌厚生病院第一消化器科), 道上 篤(札幌厚生病院第一消化器科), 西園 一郎(札幌厚生病院第一消化器科), 乙黒 雄平(札幌厚生病院第一消化器科), 寺門 洋平(札幌厚生病院第一消化器科), 菊池 仁(札幌厚生病院第一消化器科), 西岡 均(札幌厚生病院第一消化器科), 渡邊 義行(札幌厚生病院第一消化器科), 萩原 武(札幌厚生病院第一消化器科), 小澤 広(札幌厚生病院第一消化器科), 黒河 聖(札幌厚生病院第一消化器科), 今村 哲理(札幌厚生病院第一消化器科), 市原 真(札幌厚生病院臨床病理科), 岩口 佳史(札幌厚生病院臨床病理科), 後藤田 裕子(札幌厚生病院臨床病理科), 村岡 俊二(札幌厚生病院臨床病理科)
抄録 【背景】実臨床においてしばしば問題となるのはESD根治性評価におけるULの有無である.特に3cm以上の分化型pT1a症例の場合,ULか生検痕かで追加切除の可能性もありその後のQOLが大きく変わってしまう.【目的】腫瘍径3cm以上のUL合併早期胃癌の臨床病理学的特徴を明らかにする.【対象と方法】2006年1月から2012年12月までに当院で施行した胃ESD 878病変を,腫瘍径3cm以上で組織学的にUL+と診断された分化型pT1a 20例(UL群.生検痕疑い5例を含む)と3cm以上UL(-)分化型pT1a 48例(非UL群)の二群に分け,それらの背景,治療成績,転帰を比較検討した.【結果】男女比,平均年齢,部位,平均切除径,平均腫瘍径,術時間,一括切除率は両群間で有意差を認めなかった.R0切除率(60% vs. 85.4%),偶発症(穿孔,後出血)率(0% vs. 14.6%)において有意に非UL群が高かった(UL群vs.非UL群.p<0.05).UL群で追加切除を受けたのは5例のみで,残りの15例は経過観察となった.経過観察となった理由は,生検痕疑い:5例,腫瘍径が40mm未満:5例,断端陽性あるいは不明:5例であった.平均観察期間38カ月でいずれも再発は認めていない.また,追加切除となった5例には遺残やリンパ節転移は認めなかった.【結論】非UL群と比較しUL群で有意にR0切除率が不良であり,技術的な向上が必要であった.しかし,生検痕か否か評価困難な小範囲のULあるいはUL合併例でも40mm未満の病変であれば,年齢など全身状態を考慮した経過観察も可能と思われる.今後,多数例での長期的検討が必要である.
索引用語